EXHIBITION | TOKYO
ムラタ有子(Yuko Murata)
「lonely sprin」
<会期>2023年4月8日(土)- 5月27日(土)
<会場> GALLERY SIDE 2
<営業時間> 13:00-18:00 日月祝休
GALLERY SIDE 2では、ムラタ有子さんの12回目2年ぶりの個展「lonely spring」を開催いたします。2022-2023に描き上げた新作油彩画14点、新旧ドローイング6点の展示となります。
2021年コロナ下で発表した3つの展覧会、「小さい空」(GALLERY SIDE 2)、「白樺の庭」(ザ・ギンザ・スペース)、「散歩道」(伊勢丹サローネ・アートウォール)では、小さな画面から広く大きな世界を望み見るような作品群でした。静かな遠い目で描き出された動物や風景。立体的に見せる支持体に白樺を描き、林のような空間体験にも挑戦しました。今回の「lonely spring」は、力強い筆裁きと、今までムラタさんの作品には見なかった色使い、形の抽象化も展開しています。変わらぬ小さなキャンバスですが、大胆な構図と油彩の動きによって静謐な世界を形作ります。作品に満ちる静けさは、ムラタさんが心に留める蘆雪や牧谿の描いた水墨画への憧れと解釈によるものとも言えるでしょう。近年は陶芸作品にも挑戦しています。
ムラタ有子さんは、1999年度イラストレーションの第18回ザ・チョイス賞に入賞するも、独自に描きたい作風とモチーフがあり、作家として活動を始めました。描いてきた風景や動物の作品のイメージは、古い絵葉書や図鑑、観光パンフレットなどの既存の写真から選び出し、どこか既視感がありながら、芒洋として掴めない景色です。見過ごされてしまうような風景に惹かれ、可愛いと言われる動物たちに畏怖を感じる対象との距離感が、自身の作風を形作っています。親しみやすいイメージを扱いながら、豊かな筆の動き、たっぷりとした質感、削ぎ落とされたフォルムをA4ほどの画面で完成させる作品は、日本における油彩画の可能性を感じさせます。
2000年の初個展以来、ヴァンジ彫刻庭園美術館、ポーラミュージアム・アネックス、豊川桜ヶ丘ミュージアム、佐倉市美術館、台湾ビエンナーレ、ケーシー・キャプラン (ニューヨーク)、インマンギャラリー (ヒューストン)、レオ・ケーニッヒ (ニューヨーク)、ジェームス・コーハン (上海)、ヒュンダイ・ギャラリー (ソウル)、アルベルト・ペオラ (トリノ)、ユスト・ジネール (マラガ) など国内外で展示しています。
GALLERY SIDE 2 (ギャラリーサイドツー)
https://www.galleryside2.net
東京都港区西麻布1-8-12 Barbizon61
tel:03-6447-1422