EXHIBITION | TOKYO
トッド・ジェームス(Todd James)
「Fly Like The Wind」
<会期> 2015年10月3日(土)- 11月14日(土)
<会場> NANZUKA
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
このたび、NANZUKAは、1969年生まれのアメリカ人アーティスト、トッド・ジェームス(Todd James)の新作個展「Fly Like The Wind」を開催致します。 本展は、当ギャラリーにて開催された個展「Yield to Temptation」(2012年)より約3年ぶりの新作展となります。
トッド・ジェームスは、80年代から-90年代のNYにおけるストリートアートシーンを代表するアーティストの1人です。10代の半ばよりNYのグラフィティシーンの一員としてリアス(REAS)のタグネームで知られ、当時のアンダーグラウンドカルチャーを牽引する象徴的な存在として、世界中の同世代の若者達に絶大な影響を与えてきました。トッド・ジェームスの名声がアートシーンに広まったのは、2000年にNYのギャラリー、ダイチ・プロジェクトで開催された展覧会「ストリート・マーケット」においてです。その後世界的なスターとなったバリー・マッギー及びスティーブ・パワーズとともに、壮大なスケールでグラフィティに溢れるNYの裏路地を再現した本展は、その後2001年にベニスビエンナーレのアメリカパビリオンにて発表され、日本でもパルコミュージアムに巡回するなど、世界的なセンセーションを巻き起こしました。近年その評価はますます高まっており、今年は既にロンドンのLazaridesでの個展や第56回ベニスビエンナーレの公式プラグラム「The Bridges of Graffiti」展にも参加しています。
ジェームスの作品は、子供の絵を思わせるイノセントな線と形態、カラフルな色彩によって特徴付けられます。こうした作風は、UPA(United Productions of America)スタジオのアニメーションなどにその影響を求める事が可能ですが、その主題は、一見の馴染みやすさと相反して、現代社会の裏側を皮肉った批判精神に満ちているように見えます。タバコを吸う戦車、裸の女性と機関銃あるいは骸骨、幼児のように無邪気に遊び回る擬人化された戦闘機、血のプールで遊ぶ水着の女といったモチーフは、ジェームスの作品において繰り返し登場します。しかし、彼は自身が特別に政治的であると解釈される事には賛同しません。日常的にTVや新聞から流される情報を少し脚色するだけで生まれるイメージの集合体と説明します。ジェームスはアメリカのメディアが常に誇張して流す軍事関連のニュースを、あたかも少年が無邪気に戦車や戦闘機を好み同時に破壊的行為そのものも遊びに変えてしまうというイノセントな創造的暴力性を写し鏡にしながら、風刺的に批判しているのかもしれません。
ジェームスの作品が現代のアートシーンにおいて高い評価を受けている背景には、ジェームスのキャリアがグラフィティという反主流、反権威の基本精神にベースを置いている事と決して無縁ではありません。その作品が、より多くの人々の心を惹き付ける事実を前にして、高尚な学問であろうとする現代美術のアイデンティティが強く揺さぶられている証拠であるのかもしれません。
本展に寄せて、トッド・ジェームスが来日を果たし、10月3日(土)18:00-20:00 アーティストを囲んでレセプションパーティーを開催致します。本展を皆様にご高覧頂ければ幸いです。また、本展において、トッド・ジェームスの限定ぬいぐるみ「ティット・ウィザード」をリリース致します。
NANZUKA(ナンズカ)
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