EXHIBITION | TOKYO
トーマス・デマンド(Thomas Demand)
「Model Studies (Kōtō-ku)」
<会期> 2015年5月22日(金)- 6月27日(土)
<会場> Taka Ishii Gallery Tokyo
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
タカ・イシイギャラリー東京は、5月下旬より東京・北参道に拠点を移します。新ギャラリースペースのオープニング展として5月22日(金)から6月27日(土)まで、トーマス・デマンドの個展を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでの8年ぶり3度目の個展となる本展では、日本人建築家ユニットSANAAの建築模型を被写体とした、「Model Studies」シリーズ最新写真作品約8点を展示いたします。
デマンドは、多くの場合主要メディアから引用した歴史的・社会的事件の記録写真・映像を基に、着色紙や段ボールを使用してその現場を実物大の模型で再現し、それを再び撮影した、まるで事件現場をのぞき込むかのような大型の写真・映像作品で知られています。イメージの力・装置性を検証するデマンドの作品はまた、現実を伝える手段であるイメージが報道やインターネットを通じて瞬時に世界中に配信されることで、それ自体がまるで現実そのものであるかのように振る舞い、現実が撮影されたいメーjによって支配される近年の状況を巧みに示唆しています。
2011年に発表された「Model Studies」は、デマンドがロサンゼルスのゲッティ・リサーチ・インスティテュートで米国人建築家ジョン・ロートナー(1911-1994年)の建築模型に出会ったことを機に制作されました。同作品はデマンドが自分以外の他者の模型を撮影した初めての作品で、自身にとってイメージと並び重要な「模型」に思考軸が置かれています。
2013年よりデマンドは、東京・江東区にあるSANAAの事務所を数回訪れ、そこで生まれるさまざまなアイデアを形にしたいくつもの建築模型を撮影しました。ロートナーの模型は今は亡き建築家の思考の痕跡と呼べる物ですが、SANAAの模型はいつどこで芽をだし大樹に育つか分からないアイデアの生きた種としてオフィスに散財しており、また多様な国籍のスタッフが働く建築事務所において、コミュニケーションの媒介として機能しています。
制作方法や使われる素材、抽象化された細部やその暫定的な在り様など、デマンドと建築家の模型には多くの共通点がありますが、最終的にデマンドの模型はイメージに還元され、建築家の模型はその数百倍もの大きさの建築物に変貌します。デマンドは、建築模型をあるアイデアを具象化させた彫刻とみなし撮影することで、あらゆるアプローチを通して所持手は廃棄されることを繰り返すアイデアの、束の間の美質に光を当てています。模型という概念が有する豊かな可能性を探るデマンドの最新作を是非この機会にご高覧ください。
Taka Ishii Gallery Tokyo(タカ・イシイギャラリー 東京)
https://www.takaishiigallery.com/jp/
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-10-11 B1F
tel:03-6434-7010