EXHIBITION | TOKYO
鷹野隆大(Ryudai Takano), 山城知佳子(Chikako Yamashiro)
「距離の洞窟」
<会期> 2022年11月3日(木) – 12月17日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休 ※ただし11月3日(祝)は開廊
このたび、Yumiko Chiba Associatesは、長らく活動の拠点としてきた新宿を離れ、2022年11月3日より六本木に移転し、新たなギャラリースペースを六本木ヒルズ内にオープンします。
移転後初となる展覧会として、本スペースでは、鷹野隆大の文化庁 令和3年度(第72回)芸術選奨 美術部門受賞、および山城知佳子の同 美術部門新人賞受賞を記念した二人展「距離の洞窟」を開催します。本展は、鷹野のキュレーションにより、山城の《黙認のからだ》シリーズ、および鷹野の《Photo-Graph》シリーズを軸に「距離」をテーマとした作品を出品します。
山城の《黙認のからだ》は、人体を鍾乳洞のなかで撮影したものであり、鷹野の《Photo-Graph》は、影を自身から独立した生き物のように感じたことから開始されたシリーズです。サンゴ礁の海に囲まれた沖縄には、600か所以上の鍾乳洞が存在しています。そのなかで撮影された《黙認のからだ》は、鍾乳洞の肉体を思わせる石のシルエットと身体の形態との交錯がみられます。本展では、持続的に現代の身体表象に深く関わってきた両者の作品を、「距離」という主題を通じて再考します。
新スペースのオープンにあたり、空間のデザインは、imajo designが務め、照明デザインは灯工舎(Light Meister Co.,Ltd)が担当しました。本スペースは、アートウィーク東京の会期(2022年11月3−6日)に合わせ、11月3日にグランドオープンいたします。この機会にぜひお立ち寄りください。
【アーティストステートメント】
『距離の洞窟』
「距離」はすべての根源ではないかと最近よく思う。たとえばさまざまな不正は私物化によってもたらされるが、それは「距離」を喪失した状態とも言える。他者との距離をどう取るのか。それはこの社会でどう生きるのかと同義である。山城知佳子の作品はそうした社会的、文化的距離のあり方についての考察であるとわたしは考えている。
一方、「距離」にはもうひとつ、物理的距離がある。少々大げさながら、ビックバンという距離の誕生によってこの世界は始まった。そして宇宙はいまも広がり続けている。しかしこうした科学的知見を日常的経験から想起するのは難しい。写真は3次元空間を平面に圧縮して生まれる図像だが、平面化してもなお現れる“奥行き”がある。本来見えるはずのない距離を体感させるそれらの写真は、日常のなかでは実感することの難しい「距離」の存在を垣間見させてくれるように感じている。
心理的距離と物理的距離。人の暮らす社会は両者が複雑に絡み合いながら変転している。わたしはこの展示を、洞窟に木霊が響くように「距離」が反響し合うものにしたいと考えている。
2022.10 鷹野隆大
Yumiko Chiba Associates (ユミコチバアソシエイト)
http://ycassociates.co.jp/
東京都港区六本木6ー4-1 六本木ヒルズ ハリウッドビューティープラザ 3F
tel:080-3812-2491(11月19日まで)