EXHIBITION | TOKYO
ロビィ・ドゥウィ・アントノ(Roby Dwi Antono)
「RUMPUS」
<会期> 2022年1月9日(日)- 2月6日(日)
<会場> NANZUKA UNDERGROUND
<営業時間> 11:00-19:00 日月休
<会期> 2022年1月8日(土)- 2月6日(日)
<会場> NANZUKA 2G
<営業時間>原則無休(営業時間は渋谷パルコに準じます)
<会期> 2022年1月11日(火)- 2月5日(土)
<会場> 3110NZ by LDH kitchen
<営業時間> 水・木 11:00-16:00 / 金・土 11:00-17:00 日月火祝休
この度NANZUKAは、1990年生まれ、ジョグジャカルタ在住のインドネシア人アーティスト、Roby Dwi Antono(ロビィ・ドゥウィ・アントノ)の新作個展を、NANZUKA UNDERGROUND、NANZUKA 2G、3110NZの3箇所にて同時開催いたします。 本展は、当ギャラリーにおけるアーティストのデビュー個展となります。
幼少期より描くことに強い関心を示したアントノのその非凡な才能は、自由を重んじる両親の元で、自宅の壁への落書きや、鍛職人を営む父の工房で過ごした時間などを通じて自然と育まれました。特別な美術教育を受けずとも、見様見真似で誰よりも上手に、美しく描く技術を手に入れたアントノは、2012年に友人が開いた展覧会の成功によってアーティストとしての才能を開花させます。 アントノの作品は、Mark Ryden(マーク・ライデン)や奈良美智、ハビア・カジェハといった自身が敬愛するアーティストや、ウルトラマン、仮面ライダー、ゴジラ、ドラゴンボールなどといった日本の漫画、映像文化からの影響を色濃く示唆します。世界中にいる絵の好きな子供に共通の“模倣”から派生したアントノの作品は、その純粋且つ知的な探求の積み重ねによって、現在も日々変化と進化を繰り返しています。
NANZUKA UNDERGROUND及びNANZUKA 2Gにおける展覧会は、オイル・チョークとオイル・パステルによるキャンバス・ペインティングとドローイングのシリーズによって構成されます。あたかも子供の落書きのように見えるその作品は、事実、幼少期に父の工房で仕事を手伝う傍、路上に木炭の欠片で描いた恐竜や漫画の絵が原風景となって生まれました。「筆やオイルパステルの落書きで自分を表現することは、カタルシス」 だと語るアントノにとって、日々の制作プロセスの中で繰り返し行っている日記的なドローイングの中に、自身のぼんやりとした記憶の中のイメージが、再びこうして登場してくることは自然な成り行きなのです。
本展覧会のタイトル「ランパス」(大騒ぎ)は、2010年にスパイク・ジョーンズが映画化したモーリス・センダックによる1963年作の児童向け絵本「かいじゅうたちのいるところ」にインスピレーションを得ています。アントノは、この映画の中にある「野生の大暴れを始めよう!」という発言に着目し、この物語の一貫したテーマである「幼少期の感覚」を、自身の新作シリーズの核と位置付けました。
「この新しいシリーズの作品は、失われたかもしれない子供の魂を取り戻すことであり、水面に浮かぶ記憶に触れ、そしてさらにその奥深くに埋もれた記憶へと身を投じる試みです。すべての思い出を集めてひとまとめにし、その時々に合わせて整理するのは容易なことではありません。思い出は部屋の真ん中に散らばっていたり、部屋の隅に積み上げられていたりします。たぶん、それらは時系列的に認識される必要はなく、至ってランダムなものとして、追跡することさえできません。記憶を見つけるべく奥底へと飛び込んでいくこのプロセスでは、私は過去の記憶を、取るに足らない単純で些細なものから、喜びや悲しみを伴う非常に感情的なものまで、一つずつ選んでは見つめ直します。次に、ランダムな記憶を処理して、視覚言語に変換します。単純な記憶の断片から、さらにはより複雑なものまで、こうして集められた視覚的な記号は、新しい意味や感情を生み出す可能性を秘めているのです。」(Roby Dwi Antono)
また、3110NZにおいては、単色をベースとしたスプレーペイントの肖像画シリーズを発表いたします。シンメトリー構図を用いて描かれた少年とも少女とも思えるその肖像は、インドネシア人としてのアーティスト自身の精神性、民族性、歴史性を静寂の中に訴えかけているかのようです。薄らと涙を浮かべていますが、そこに特定の感情を読み取ることはできません。悲壮感はなく、むしろ神々しく、崇高なオーラすら感じさせます。
「私の作品は、自分の姿を映す鏡のようなものです。多くの場合、それは私が過去を修復しようとする事や未来へ希望を与えようとすることへの自己批判の場でもあります。私はいつも、自分の散らばった記憶の断片をすべて掻き集めて、絵画に変換したいという衝動を感じています。」(Roby Dwi Antono)
私たちは、アントノの実直で、決して奇を衒わないその作品の中に、人類がその短くも長いその歴史において、決して絶やすことなく続けてきた文化的営みの本質を見出すのです。本展を皆様にご高覧いただけますと幸いです。
NANZUKA UNDERGROUND(ナンズカアンダーグラウンド)
https://nanzuka.com/ja
東京都渋谷区神宮前3丁目 30-10
tel:03-5422-3877
NANZUKA 2G(ナンズカ2ジー)
https://nanzuka.com/ja
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 2階
tel:03-5422-3877
3110NZ by LDH kitchen(3110エヌゼットバイエルディーエイチキッチン)
https://nanzuka.com/ja
東京都目黒区青葉台1-18-7
tel:03-5422-3877