EXHIBITION | TOKYO
谷口真人(Makoto Taniguchi)
「Where is your ♡?」
<会期> 2022年7月23日(土)- 9月4日(日)
<会場> NANZUKA UNDERGROUND 2F
<営業時間> 11:00-19:00 日月休
この度NANZUKAは、神宮前 NANZUKA UNDERGROUND(2F)において、谷口真人の新作個展「Where is your ♡?」を開催致します。 谷口真人は、1982年東京都生まれ、東京藝術大学 大学院美術研究科 先端芸術表現専攻を修了。これまで、「美少女の美術史」(青森県立美術館 / 静岡県立美術館 / 島根県立石見美術館 / 国立台北教育大学北師美術館、2014-2015、2019)や「Takashi Murakami’s Superflat Collection – From Shōhaku and Rosanjin to Anselm Kiefer-」(横浜美術館、2016)、「TOKYO POP UNDERGROUND」(Jeffrey Deitch、2019)など、国内外の展覧会に参加しております。また、本展は、当ギャラリーにおける2014年以来2度目の個展となります。
鏡とアクリル板、絵の具、木材から成るその箱式絵画とも呼ぶべき作品は、私達人類を象徴する箱庭だと仮定することが可能です。作品は、透明アクリル板の表面に置かれた絵の具と、箱の中の鏡に反射して見える肖像を両方同時に私達に提示します。私達の視線は自ずとその関係の中を往復します。鏡に映る像は絵の具によって生み出され、鏡に映し出された絵の具は像を生み出す。この明白に示された関係性にもかかわらず、私達の多くは、鏡に映る像を少女像であると認め“親しみやすい存在”として、認識します。そしてもちろん私達はこのシステムの中でしか彼女を見ることができません。
谷口は、その創作活動を通して、人間の知覚認識に関するもっとも根源的な謎を追い求めているかのようです。それは、「楽園のリンゴ」に象徴されるような、側(身体)と中身(知)の謎(問)とでも呼ぶべきものです。私達は人間の存在をいかにして認知しているのか。共感や感情移入といった現象はどこから来るのか。姿かたち、容姿といった形態によるものなのか?あるいは、精神性(心)によってなのか。その両方なのか。人によってその認識システムに差異があるのはなぜなのか。
谷口は、3DCG とプログラミングを組み合わせたインスタレーション、アニメーション作品、そして鏡を用いた箱式絵画を制作していますが、その多くの作品に、#親しみやすさ、#かよわさ、#儚さ、#Kawaii といったキーワードを連想させるような存在があらわれます。それは、感情移入を可能とするものとして谷口が仕掛けた最も重要なコードとも呼べるものです。SNS、人工知能、VR、メタバースといったITテック技術の進化によって、コミュニケーションの方法、ルート、スピード、エリアが劇的な変化を遂げる現代において、谷口の作品はシンプルに、しかし、だからより一層深い意味を持って私達に問いかけます。わたしたちの♡(ハート)は、どこに存在しているのか、と。
本展において、谷口は鏡を用いた箱式絵画の新作を発表します。等身大の少女像にスケールを合わせた大型作品から、小型の作品まで約10点程度を発表する予定です。本展のオープニング・レセプションは、アーティストを囲んで、7月23日(土) 16:00 – 19:00 に開催致します。 本展を皆様にご高覧頂けると幸いです。
NANZUKA UNDERGROUND (ナンズカアンダーグラウンド)
https://nanzuka.com/ja
東京都渋谷区神宮前3丁目 30-10
tel:03-5422-3877