EXHIBITION | TOKYO
フリオ・アナジャ・キャバンディング(Julio Anaya Cabanding)
「Wunderkammer」
<会期> 2023年9月2日(土) – 10月1日(日)
<会場> NANZUKA UNDERGROUND
<営業時間> 11:00-19:00 月火休
この度NANZUKAは、スペイン人アーティスト、Julio Anaya Cabanding (フリオ・アナジャ・キャバンディング)の新作個展「Wunderkammer」を開催いたします。本展は、キャバンディングにとって、昨年NANZUKA 2Gにて開催した小個展に続いて、神宮前NANZUKA UNDERGROUNDにおける初となる大規模個展です。
キャバンディングは、1987 年スペインのマラガに生まれ、現在もマラガに在住のアーティストです。2018年に、マラガ大学ファインアート学科を卒業。地元マラガ市内の廃墟や橋の下、港など人があまり立ち寄らないような場所に、美術史上の著名な絵画を引用した細密な絵画をグラフィティとして描き、一躍その作品はSNSを通して世界中に知れ渡りました。昨年には、リヨンビエンナーに参加し、Théodore Chassériau(テオドール・シャセリオー)の名作「Le Christ au Jardin des Oliviers」(「オリーブ畑のキリスト」)を引用した大作を発表し、大きな話題となりました。
キャバンディングの創作活動は、廃材のダンボールや石膏ボード、板などを拾い集めることから始まります。そして、誰もが教科書で知っているような美術作品を、捨てられたゴミや荒廃した街の壁に描きます。それは、アートを神格化させるシステムへの強烈なカウンターであり、同時にエコシステムの中で生み出される絵画の最終形態とも捉えることができます。
かつてマルセル・デュシャンが既製品の便器を美術館に持ち込んだことと同じように、キャバンディングは美術史上の著名な絵画を美術館から街の中に持ち出します。どちらも、高尚なアートの存在をどこまで身近な存在とできるかという挑戦ですが、その手法は真逆です。キャバンディングの作品は、アプロプリエーションアートの亜種として説明することが可能ですが、更に美術館と公共空間(ストリート)、 耐久性とアートの価値といったテーマを複合的に捉えます。現在の美術館やアカデミズム を頂点とするアートのあり方に、一石を投じようとする 21 世紀の新しいアートの形と言えるでしょう。
今回の展覧会タイトル「「Wunderkammer」は、日本語では「驚異の部屋」と訳されるルネサンス後期およびバロック期に確立された様々なオブジェクトをその異なる起源で組み合わせて提示するキャビネットを意味します。キャバンディングは、本展のために恐竜の化石、古代エジプトのミイラ、ピカソやマティス、ゴッホや葛飾北斎、ウォーホルやバスキア、はたまたスニーカーから鉄腕アトムのおもちゃ、そして空山基やハビア・カジェハの作品まで縦横無尽に模倣を尽くした作品を制作し、それらをキャビネット方式で陳列してみせます。また、1F展示室ではピカソのゲルニカをオリジナル作品とほぼ同じスケールで描いた作品を展示します。
本展のオープニング・レセプションは、アーティストを囲んで、9月2日(土) 16:00 – 18:00 に神宮前NANZUKA UNDERGROUNDにて開催致します。
皆様に本展をご高覧頂けると幸いです。
NANZUKA UNDERGROUND(ナンズカアンダーグラウンド)
https://nanzuka.com/ja
東京都渋谷区神宮前3丁目 30-10
tel:03-5422-3877