EXHIBITION | TOKYO
ジャネット・カーディフ(Janet Cardiff), ジョージ・ビュレス・ミラー(George Bures Miller)
「Small Works」
<会期> 2025年3月22日(土)- 6月14日(土)
<会場> Gallery Koyanagi
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
この度、ギャラリー小柳では2025年3月22日(土)から6月14日(土)の会期で、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーによる個展「Small Works」を開催いたします。日本での展覧会は金沢21世紀美術館での回顧展以来約7年ぶり、ギャラリー小柳では2013年以来2回目の個展です。
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーは共にカナダ出身で、アルバータ大学在学中の1983年に出会い、次第に共同制作を開始しました。ふたりの本格的なコラボレーションは、暗い部屋を様々なオブジェで埋め尽くし、鑑賞者がその部屋の中で動くと音楽や話し声が聞こえてくる、1995年の《ダーク・プール》に始まります。彼らの名を一躍世に広めた〈ウォーク〉シリーズは、ヘッドフォンから聞こえるカーディフの声とモニターの映像に導かれ、街中などを歩いて巡る作品です。目前に広がる現実の光景と、音と映像が生み出す物語が交錯し、鑑賞者のあらゆる知覚を覚醒させます。一方、何十台ものスピーカーを用い、さまざまな場に複雑で緻密な音響空間を構成する大規模なサウンド・インスタレーションは、その場に別の空間や時間を出現させ、鑑賞者をジャネットとジョージが紡ぐ独自の世界へと誘います。このように、カーディフ&ミラーは「音」を核とし、映像やオブジェ、機械装置を用いた壮大なインスタレーションを発表してきました。
しかし本展では、展覧会タイトル「Small Works」の名の通り、壁付の小さな作品を11点集めて展示します。主にファウンドオブジェを素材に組み立てたアッサンブラージュの作品たちで、中には手のひらほどのサイズのものもあり、新作7点を含む全てが本邦初公開です。
作品の規模は変わっても、「聴く」「見る」といった複合的な知覚体験を伴うスタイルは変わりません。ちょっと不気味、けれどもなんだかかわいらしい人形たちがシュールな小芝居を繰り広げる《スーツ・シアター》(Suitcase Theatre)や、偶然目に留まった科学雑誌の溺死に関する記事からインスピレーションを得たという《溺水のメカニズム》(The Mechanism of Drowing)など・・・愛らしく、時に奇妙で少し怖い、ジャネットとジョージらしさ溢れる珠玉の作品群です。
小さな作品だからこそ、ひとつひとつじっくり向き合い、耳を傾け、ふたりが生み出す不思議な物語の世界に浸ってみてください。一部の作品は、実際にボタンを押して、音や動きをお楽しみいただけます。
たりの独創的なアイデアと遊び心に触れ、まるで夢をみているような体験が待っていることでしょう。
展覧会初日、3月22日(土)の午後5時から7時までは、ジャネット・カーディフが在廊し、レセプションを開催いたします。この機会にぜひご取材いただけますよう、お願い申し上げます。
また本展覧会の会期中、原美術館ARC(群馬)では、16世紀の多声部合唱曲(モテット)を歌う聖歌隊ひとりひとりの歌声が40個のスピーカーから流れ、複雑な音楽を彫刻的に体感させるカーディフの代表作《40声のモテット》が特別展示されます(〜5月11日まで)。本作品は、金沢21世紀美術館(石川)、長崎県美術館(長崎)、丸亀市猪熊弦一郎美術館(香川)でも順次展示されます。それぞれの場でしか味わうことができない音の体験を、ぜひ各会場でご堪能ください。
Gallery Koyanagi(ギャラリー小柳)
https://www.gallerykoyanagi.com/
東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9F
tel:03-3561-1896