EXHIBITION | TOKYO
インディゲリラ(indieguerillas)
「Cosmic Waltz」
<会期> 2021年9月8日(水)- 10月9日(土)
<会場> Mizuma Art Gallery
<営業時間> 12:00-18:00 日月祝休
ミヅマアートギャラリーでは、9月8日よりインドネシアのアーティスト・ユニット、インディゲリラによる個展「Cosmic Waltz」を開催いたします。
2015年に開催した天明屋尚との二人展、2017年に開催した「未来の痕跡―東南アジアの現代美術」展に続き、日本での初個展となります。
「Cosmic Waltz」の新作アイデアは、私たちが身体の動きにどれほど無意識であるか、という人体へのシンプルな観察から始まりました。 24時間のうち、私たちが完全に身体の状態を把握しているのはたったの5%だと言われています。私たちはそれ以外は無意識に身体を動かしており、それが本来は驚異的な可動域であることを忘れてしまうほどです。例えば、座る、額の汗を拭う、靴紐を結ぶ、親指で画面をスクロールする、足の裏で床の冷たさを感じる、といったこれらの動きは簡単そうでいて、あまりにも日常に溶け込んでおり、ありがたさを感じることはありません。しかし、自由に身体を動かすことが困難な人々にとっては同じではありません。
インディゲリラは、本展の作品中のキャラクターたちが皆、魂のダンスを踊るかのように、宇宙のリズムに合わせて自発的にうねり、流れるように動いていると考えます。これらの作品を通して彼らは、自由に動くことができる健康な身体に感謝し、自分自身を愛するようにと、我々を導くことでしょう。
一連の作品群には、ポップカルチャーとジャワの伝統的なイメージとともに、20世紀の近代絵画の影響がみられます。それは、6ヶ月間と比較的短期間ながら、西洋のアートヒストリーに触れる機会となった、2018年のドイツのシュツットガルトでの滞在の賜物であるといえるでしょう。一方で、遠近法を排除したような構成には、全てが平面と2次元で現される伝統的なワヤン・クリ(wayang kulit) の影響もみられます。本作におけるオブジェクトの抽象化は、彼らが現在、ものの本質を感じることに関心を持っていることの現れです。また、作品中の色彩は、幸福に満ちた前向きな人生を祝福するムードを後押しするように選定されています。インディゲリラはジャワ人として、ものごとを前向きに受け止め、身をまかせるスマラー(sumarah)であれと教えられました。そのため、鮮やかで躍動感のある大胆な色彩が喜びを表すために用いられています。
健やかで自由な身体こそが幸福の原点であることを、私たちは彼らの祝祭的で、躍動感溢れる作品に見出すことができるのではないでしょうか。
また本展では、様々な見え方の違いを体験してほしいという彼らのユニークで新しい試みとして、一部の作品を毎週90度ずつ回転させる予定です。
ぜひご高覧を賜れましたら幸いです。
Mizuma Art Gallery (ミヅマアートギャラリー)
https://mizuma-art.co.jp/
東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
tel:03-3268-2500