EXHIBITION | TOKYO
佃弘樹(Hiroki Tsukuda)
「The Darkest Hour」
<会期> 2022年6月18日(土)- 7月17日(日)
<会場> NANZUKA UNDERGROUND
<営業時間> 11:00-19:00 月祝休
この度NANZUKAは、神宮前 NANZUKA UNDERGROUNDにおいて、佃弘樹の新作個展「The Darkest Hour」を開催いたします。 佃弘樹は、1978年香川県生まれ、武蔵野美術大学映像学科を卒業、以後東京を拠点に活動しているアーティストです。2019年に群馬県立近代美術館にて個展「Monolog in the Doom」、2020 年 3月には、ロックダウン直前のNYにて個展「They Live」(Petzel) を開催するなど、国内外で高い評価を受けております。
佃の作品を理解する重要な要素として、佃が幼少期から親しんできたSF 映画や TV ゲーム、アニメーション、漫画、音楽、小説などの影響を抜きには語れません。佃は、自身の作品を外の世界(アウターワールド)と解説しますが、そこには佃が幼少の頃から信じてきた未来と、その未来を生きる現実との乖離を読み取る事ができます。佃の作品が持つ近未来的な世界観は、これまでの人生において記録してきた情報と、現在進行形の世界で読み取っているイメージが、歪みながら複雑に混ざり合って生まれた、もう一つの「現実」から生まれていると言えるのかもしれません。
本展「The Darkest Hour」は、コロナ禍に見舞われた世界の中で、ロシアとウクライナ間で起きた戦争、燻り続ける中国とアメリカの対立、富の格差の拡大に起因する社会不安といった問題が、より一層顕著になった世界の現在地点における佃の率直な感想を言い表しています。今回、ここに展示される作品は、佃が長年集取してきたスター・ウォーズやガンダム、モンスター・ハンターなどの小型フィギュアを分解して再構築した立体コラージュを基に作られた立体作品と、ファウンドオブジェクトを多用して構成されたインスタレーション、またインク、シルクスクリーン、アクリルを駆使して佃が独自に発展させてきたミクストメディア・ペインティングの新作を展示いたします。
本展に寄せて、佃は次のようにコメントをしております。
私は 1978 年生まれなのですが、幼少期は日本は豊かでした。ベルリンの壁の崩壊や冷戦の終焉もあり、幼い私の目から見た世界はなんとなく平和な方向に進んでいるものだと思っていました。その反動なのか 80年代、90年代の映画や音楽は暗い未来を描いた作品が多かったように思います。私はそういった暗い未来をフィクションとして楽しみ、そして多大な影響を受けました。その時は未来がこんなにも暗いものだとは誰も想像していなかったはずです。私の好きな映画のひとつ、インターステラーの中にデュラン・トマスという詩人の詩が引用されていました。
“穏やかな夜に身を任せるな。 老いても怒りを燃やせ、終わりゆく日に。 怒れ、怒れ、消えゆく光に。”
その映画では滅びゆく人類と地球、それに立ち向かい人類を救うために宇宙に旅立つ主人公のストーリーが描かれていますが、この一節は映画館でこの映画を観たときからずっと私の心の中にあります。 夜明け前が一番暗い、その言葉と夜明けを信じて。
本展のオープニング・レセプションは、アーティストを囲んで、6 月 18 日(土) 16:00 – 19:00 に開催致します。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
NANZUKA UNDERGROUND(ナンズカアンダーグラウンド)
https://nanzuka.com/ja
東京都渋谷区神宮前3丁目 30-10
tel:03-5422-3877