EXHIBITION | TOKYO
デイヴィッド・シュリグリー(David Shrigley)
「NEW DRAWINGS」
<会期> 2017年11月2日(木)- 12月22日(金)
<会場> Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
2017 年 11 月 2 日(木)より、Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku にて、デイヴィッド・シュリ グリーの個展「NEW DRAWINGS」を開催いたします。
デイヴィッド・シュリグリーは 1968 年にイングランド北部のマックルズフィールドに生まれ、スコットランドで唯一の公立美術大学であるグラスゴー・スクール・オブ・アートを卒業し、現在はロンドンを中心に活動しています。
2012 年にはロンドン、ヘイワードギャラリーにてキャリア半ばでの回顧展「Brain Activity」を果たし、この展覧 会を受け 2013年度には英国在住作家に贈られる名高いターナー賞にノミネートされるなど、ポスト YBAs(ヤング・ ブリティッシュ・アーティスト)世代の代表的なアーティストの一人です。 シュリグリーは、インスタレーションから絵画、彫刻、写真、映画、書籍、音楽と、様々なスタイルで作品を展開していますが、とりわけ日常生活のありふれた光景を機知に富んだ切り口で描いたドローイングと、写真、アニメーションはよく知られており、それらの作品には、駄じゃれ、ダブル・ミーニング、皮肉、厭世観など英国らしいユーモアのセンスがふんだんに盛り込まれています。
近年その活動はますます高い評価を得ており、2016年には、ロンドン市が主導する世界でも話題の現代アートプロ ジェクトのひとつであるフォース・プリンス・コミッション(第4の台座コミッション)の第11作品目として選出 され、7メートルの高さに及ぶ巨大な「いいね」のジェスチャーを示したブロンズ彫刻「Really Good」を出現させ ました(第4の台座はトラファルガー広場の四隅にある台座のうち北西に置かれた台座で、現在ロンドン市の文化 部が主導しコミッションプロジェクトを遂行、過去にはマーク・クイン、アントニー・ゴームリー、ハンス・ハー ケなどがコミッション作品を展示している)。また本年度には、ロンドン市長のサディク・カーン氏によって発足された「London Is Open」キャンペーン(イギリスのEUからの離脱をうけ、ロンドンは依然として国際的であり、 団結していて、世界に向けてオープンであると謳ったキャンペーン)にも協力しており、ロンドン中心部の至るところでシュリグリーのポスターを見ることができます。
日本では、2002 年に東京オペラシティ・アートギャラリーで行われた「JAM:東京 ─ロンドン展」で、奈良美智と のコラボレーションが話題となり、また2014年には東京ステーションギャラリーで行われたブリティッシュ・カウ ンシル・コレクションによる「プライベート・ユートピア」展にも出品されていますが、これまで日本では個展開 催の機会がありませんでした。今回、日本の美術館で初めての個展が水戸芸術館(会期:2017 年 10 月 14 日-2018 年 1 月 21 日)で行われ、同じく日本のギャラリーでは初めての個展を、弊廊で開催致します。
水戸芸術館での展示にはドローイング、立体、ビデオ、インスタレーションなどが出品され、初期から本展覧会のために制作された最新作までを通して、作家の全体像を捉えることができるでしょう。一方、弊廊では、シュリグリーの最も象徴的な表現であるドローイングにフォーカスをあて展示致します。シュリグリーは2014年にロンドンのハイエンドなカフェ「Sketch」にてスペース全体を使った大規模なドローイングインスタレーションを行っていますが、そこで展開されたドローイングシリーズの新作を見ていただくことができます。
シュリグリーは独特のユーモラスな感覚と絶妙なバランスで、作品を通じて鑑賞者に「思考する」ことを促し、作 品と世界との間に新しい関係を作りだし、また美術館、ギャラリーといった美術界での注目のみならず、ミュージ ック・ヴィデオの制作、Tシャツをはじめとするグッズのデザイン、書籍の制作・発行など、マス・カルチャーの なかで、そのクリティカルな視点を決して失うことなく、大きな成功を収めているという点でも稀有なアーティストと言えるでしょう。そしてシュリグリー作品のもっとも特筆すべき点は、普段とりわけ美術に興味のない人でも その作品の前で思わず笑ってしまうような、誰もが楽しめる作品であるということです。「芸術は誰のためのものでもある」、という作家の言葉がまさにここに実現していると言えるでしょう。
デイヴィッド・シュリグリーのユーモアと風刺に満ちたファンタスティックワールドにぜひ訪れていただき、それぞれの作品が持つ魅力を堪能していただけることを願っております。
Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku(ユミコチバアソシエイツ)
http://www.ycassociates.co.jp/
東京都新宿区西新宿 4-32-6 パークグレース新宿#206
tel:03-6276-6731