他業界と同様、昨年世界的経済危機で美術業界も打撃を受けた。しかし、懐の深いバイヤーにとっては確実に信頼できるアーティストの作品を前にしてしまってはそんなことはとるに足らないことなのかもしれない。
11日水曜日のサザビーズの現代アート部門、イブニングセールの売り上げは、総額1億3440万ドルを記録した。予想を6790万ドル上回る。
売りに出された作品54品中、売れ残ったのは2品だけ。
ちなみに火曜日のクリスティーズの戦後・現代アートセクションのイブニングセールは7410万ドルの売り上げだった。
サザビーズもクリスティーズも有名アーティストの作品を出品していたが、サザビーズに分配が上がったのは、サザビーズには「大当たり」品があったことがありそうだ。
ウォーホールのシルクスクリーン初期作品のひとつ、「200 One Dollar Bills」は、600万ドルの入札を皮切りに5人のコレクターが競りあい、4370万ドル(手数料込み)までつりあがった。ちなみにこの作品の予想最高額は1200万ドルだったので、予想額の約3倍で落札されたことになる。
また、ウォーホールのセルフポートレート(1965)は、予想額150万ドルだったが、540万ドル(サザビーズの手数料を含むと610万ドル)で落札。落札者はロンドンで宝石商を営む男性。
「まるで宝石のようだ。私はこの作品とDora Maarのためにわざわざニューヨークに来たのですから。」男性は先週サザビーズのオークションで自身が落札したピカソの絵画にも触れながら、オークション終了後このように語った。
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