庭オーナメント彫刻家の作品がドイツのバイエルン地方、ニュルンベルクで物議をかもしている。
ドイツ人作家が作ったこのノーム(ヨーロッパの民話に登場する大地を司る妖精、自身のホームページではドワーフと紹介)の彫刻が、ナチスの敬礼をしているため、ニュルンベルクの検察官は、ナチスシンボルやジェスチャーを禁止する法を犯しているのではないか、としている。
バイエルン地方の都市がナチスに対して特に敏感なのには理由がある。ニュルンベルクは、ヒトラーが最もドイツらしい街として賞賛し、ナチス党大会を開いた街であると同時に、ナチスの戦争犯罪を裁く公判が開かれた街である。
作者のOttmar Hoerl氏は現在59歳。2005年以来ニュルンベルク・アカデミー・オブ・ファインアートの校長を務めている。彼は、ノームたちはナチスをからかっているんだ、と話す。
「私はこの匿名の告発によって、ただのノームが議論を呼んでいることにとても驚いています。私はこのノームをギャラリーに置いていないので、誰かがこのノームを買って、ギャラリーに置いたに違いありません。しかしながら、私はこの大騒ぎが一体何なのか理解できません。ただ、私のノームが政治的なご都合主義と右翼イデオロギーを招いていることを危惧しています。このノームは(ドイツの)古傷を開いてしまったと感じます。」
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