近鉄は、阿部野橋ターミナルビル建替え工事に伴い設置するおよそ200mに及ぶ工事仮囲いに、6月初旬よりアートを施し、そのアーティストに平成20年「ゲイサイ#11」でグランプリ・審査員個人賞W受賞した中村協子さんを起用することを決定した。
ターミナルビル建替えにあたり、ビルが立地するアベノ・天王寺エリアをPRすべく、歴史あるアベノ・天王寺地域をもう一度見直し、その魅力を再発見してもらうきっかけになればと、仮囲いを大きな巻物になぞらえ、アベノ・天王寺地域の持つ魅力をテーマに、その歴史やそこに暮らす個性豊かな人々を描く「平成阿倍野絵巻」を制作。
中村協子 平成阿倍野絵巻
アベノ・天王寺エリアは大阪でも古い歴史を持ち、人々の生活が根付く大阪情緒漂う地域。
再開発によって生まれ変わろうとしているこの地域の魅力を、自身も学生時代をアベノで過ごした中村氏の独自の視点で描く。
絵巻は、日本を代表する建築家村野藤吾氏(1891-1984)がデザインし、現在、近鉄百貨店阿倍野本店の外壁レリーフとなっている2羽の鳥が建物から飛び出し、アベノ・天王寺の街を旅するというストーリーで綴られている。
鳥たちは、路面電車、通天閣、大阪市立美術館などの名所から、天王寺動物園で暮らす動物たち、四天王寺で開催される華やかな舞楽の様子など、歴史・文化にあふれるアベノ・天王寺の魅力を、訪れる人々に紹介する。
【阿部野橋ターミナルビル整備計画について】
大阪阿部野橋駅および近鉄百貨店阿倍野本店として使用している阿部野橋ターミナルビルのうち、その旧館部分の建替計画。
広さ日本一の百貨店、国際級ホテル、最先端オフィス、ターミナルの特性を生かした都市型美術館、視界360°の大パノラマを堪能できる展望台を有する、高さ約300m日本一の超高層複合ビルを建設する。
ビル名:阿部野橋ターミナルビルタワー館(仮称)
所在地:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43
階数:地下5階、地上60階
高さ:地上約300m
延床面積:約212,000㎡
完成予定:平成26年春
【中村協子 略歴】
1974年宮城県生まれ。
2000年に京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業した後、大阪、京都を中心に個展やグループ展で作品の発表を続けてきた。
1000人近くのアーティストが参加し史上最大のスケールとなった2008年9月の「ゲイサイ#11」にてグランプリ及び審査員個人賞(フィリップ・セガロ氏)をW受賞。
その後も精力的に作品を発表している。
大阪市立大学に2年間在籍していたことがあり、阿倍野ともつながりが強い。