若手映画監督の登竜門として有名な『ぴあフィルムフェスティバル』。
本年度カンヌ国際映画祭にてグランプリを受賞した河瀬直美監督を輩出したことでも知られ、今年で29回目となる話題の映画祭である。
今回、この『ぴあフィルムフェスティバル』のメインビジュアルとして、アートコレクターから注目を集めるアーティスト・渡部満の作品が起用された。
光琳の燕子花を背景に、若沖の子犬と戯れカメラを構える画家の愛娘・奈緒子が、映画祭ポスターをはじめ公式ホームページなどにて映画祭を宣伝している。
この渡部満の起用は、以前から渡部満のファンだったぴあフィルムフェスティバルのディレクターがアトリエのある青森まで赴き渡部氏を説得して実現したもの。
”映画の新しい才能の発見”が楽しみな『ぴあフィルムフェスティバル』の開催とともに、渡部満の活躍にアートコレクターのみならずますます注目が集まりそうだ。
【第29回ぴあフィルムフェスティバル】
会期:2007年7月14日(土) - 20日(金)
会場:渋谷東急(渋谷クロスタワー2F)
スペシャルプログラム
会期:2007年7月21日(土) - 8月10日(金)
会場:ユーロスペース
※以降、仙台、名古屋、北九州、大分、福岡、神戸、大阪を巡回。
ぴあフィルムフェスティバル公式ホームページ
http://www.pia.co.jp/pff/
【ぴあフィルムフェスティバルとは?】
“映画の新しい才能の発見と育成”をテーマに、1977年にスタートした映画祭。
単なる映画祭の枠に留まらず、映画コンペティション「PFFアワード」を中心に、“新しい才能”を発見し、紹介し、育成していくなどの活動を行っている。
その活動を通じ、日本映画の活性化を推進しているのが、「ぴあフィルムフェスティバル」である。
【渡部満とは?】
1953年青森県生まれのアーティスト。(渡部満プロフィール)
独学で古典的な油彩画技法を身に付け、1995年の小磯良平大賞展において大賞を受賞したのをきっかけに、一躍画壇から注目を浴びるようになった。
ルソー、ラファエロ、若沖など古今東西の名画にみずからの愛娘・由希子、奈緒子を描き、空間的にも時間的にも錯綜した不可思議な絵画を描く。
他の画家の描いた絵画を半リアルなイメージをみなし、その中で戯れる幼い頃の娘を、風景画家の眼差しで描いているのである。
幻想的かつ耽美なその独特な画風は、目下、美術界、アートコレクターの間でも注目の的となりつつある。
近年盛り上がりを見せる絵画オークションに出品されると、通常の販売価格の2倍から3倍もの金額で落札されるなど、その人気が窺い知れる。
当の渡部は細部まで綿密に描く技法から、寡作で知られ、一年に製作される作品はわずか数点にすぎず、2007年4月にアートフェア東京にて2年ぶりに開催された新作展では、50号を中心とした出品作品が完売となるなど、話題を呼んでいる。
【渡部満に関するお問い合わせ】
ギャラリー玉英
東京都中央区銀座5-3-12 壹番館ビルディング4階
TEL:03-3574-6116