タカ・イシイギャラリー東京では、11月26日(土)から12月24日(土)まで、鈴木理策個展「Mirror Portrait」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーにて初の個展となる本展では、2016年にハーフミラー(半透鏡)を使って撮影された新作のポートレイト写真を展示いたします。
鈴木理策は、これまでの作品において、「見るという経験とは何か」を問いかける装置として写真をとらえ、写真の特性と視覚の問題に関心を向け続けてきました。撮影者の眼、存在する対象をありのままに映し出すカメラという光学機械、それらをつなぐ媒介としての光、撮影者の意識外にある外界の揺らぎ、そして現像された写真のイメージ同士の繋がり、それらが組み合わされて「見る」という持続的な経験が写真において成立し得ると鈴木は考えています。その独特な視点は「KUMANO」(1998年)「PILES OF TIME」(1999年)、「サント・ヴィクトワール山(Mont Sainte Victoire)」(2000年)「熊野、雪、桜」(2007年)などの代表作品にも通底しており、発表時より高く評価されてきました。
本展で発表される、鈴木の初めての試みであるポートレイト作品は、タカ・イシイギャラリーの新拠点となる六本木・complex665を撮影場所として行われました。ハーフミラー(半透鏡)に隔てられることによって、撮影者と被写体の視線が交差しないまま撮影が行われています。撮影者が自らの視線を消し、被写体が自らを見つめることで、主体と客体のあいだに存在する世界を写真が見せてくれるのかもしれません。鈴木のまなざしを追体験することよって、私たちは新たな「見ること」へと誘われるでしょう。
鈴木理策個展は、11月8日よりタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー パリ、&co119(パリ)においても開催されます。3会場での展示を通じて、自身の全体像を提示する作家の意欲的な試みを是非ご高覧ください。
「海と山のあいだ」
会期:2016年11月8日(火)‐ 12月23日(金)
会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー パリ
「唯一の時間」
会期:2016年11月8日(火)‐ 12月23日(金)
会場:&co119(パリ)
〒106-0032 東京都港区六本木6-5-24 complex665 3F
TEL: 03-6434-7010
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