2017年にリアム・ギリックの新しい著書の刊行が予定されている。
"Stardust Expression(スターダスト・エクスプレッション 仮題)"
と題されたこの新シリーズは、新しいリニアな都市が構築される過程で発生する混乱や矛盾、陰謀めいた出来事についての調査に焦点を合わせている。
本プロジェクトはギリックが2015年、モスクワ・ビエンナーレの出品作品として、NYの自分のアパートメントから一歩も出ることなく制作した "Letters from Moscow(モスクワからの手紙)"の流れを引き継ぐものである。
個展"Stardust Expression"は、本プロジェクトの第一段階として、壁面に展示する構造物、グラフィック、そしてテキスト作品から 構成される。
舞台として用意されるのは、木材と眩しいLED電球によって構成された、光る壁の新インスタレーションである。
これらはギリックの初期作を、テクノロジーのアップデートによって、より強力に蘇らせたものといえよう。
壁面では、輪のような形をしたいくつものテキスト作品が、繰り返しそして次第に不安定かつ感情的な内容に変化しながら 展覧会タイトルを告げる。これらは新しい本のシリーズの広報として機能する。
光る壁のインスタレーションとテキスト作品は一連のグラフィックによって関連付けられている。それぞれの作品は、新著書の輪郭を浮かび上がらせるための ある種のダイアグラム、あるいは短いテキストというべきものなのだ。
つまりこの展覧会を通じて、新シリーズとなるギリックの著書のタイトルが公開され、と同時に新シリーズの骨組みをも、生と死の新しいつながりを提示する審美的手法にもとづいてゆるやかに明らかにすると思われる。
「不快な夜明け」
「足、橋、そして道」
「データレイクセンター」
「時間の中の繊細さ」
「泥だらけの体制」
「狂喜する片割れ」
「プールから水を飲む鷲」
リアム・ギリック | Liam Gillick
1964年イギリス生まれ、現在ニューヨークにて制作活動。
1989年以降、シカゴ現代美術館、アイルランド現代美術館、グッゲンハイム美術館など、各国で展覧会を開催。
第53回ヴェニス・ビエンナーレにドイツ館代表作家として参加した他、第10回ドクメンタなど国際展にも多数参加。
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