TARO NASUでは2回目の個展となる本展覧会では、新作を中心とした写真・映像・インスタレーション作品等を展示します。
本展覧会の軸となるのは、日常生活に落ちているものを拾い集め、スキャナーに配置し彫刻作品として記録した新作、『コレクターB』シリーズ。
展示会場には、その写真作品とともに、実際に撮影された被写体が水槽に浮遊します。この作品は鑑賞者に対し、会場に流れる現在という時間軸を表出させるという試みであり、写真という媒体の物質性と定義に対する万代の新たなアプローチといえます。同じく、収集された素材のいくつかは、写真にまつわる立体作品として展示されます。
他の展示作品としては2006年から2008年頃に、万代が樹海などの都心から離れた森などで、不法投機されたゴミを集めて彫刻を作り、記録した、『蓋の穴』シリーズがあります。2015年から本シリーズの撮影を再開した万代は、気圧の低い高地へ赴き撮影するようになりました。これは、胎児が母胎内で感じる気圧と、同程度の気圧がある高地には聖地が集まるという一説に基づいています。
また他にも、近年継続的に発表されている『100枚のコミュニケーション』シリーズからは、母と子の出生にまつわる記憶についてのアンケートを元に制作された新作の映像作品が出展されます。
新旧シリーズを交えながら、「時間」という表象を扱い新たに語られる、万代の新しい展開をご覧ください。
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