会田は今回50歳という節目の年に当たり、自身が一度も試みたことのない、まったく新しい方法・形式・素材に挑戦します。これまでの「会田誠」という作家イメージを根底から覆すもので、「なんなら今までの僕のファンが総取っ替えになっても構わない」と会田は言い切ります。
そのため事前に新作のイメージを公開することは禁じ、ヴィジュアルに関しては展覧会オープン初日まで完全な秘密主義を貫きます。
今回会田が目指すものは、ずばり絵画における「純粋な美」です。出品点数は30点以上――ギャラリーにおける個展としては過去最多となる見通しです。
「こんな絵画展らしい絵画展をやるのは、これが人生で最初で最後だろう」「ゲルハルト・リヒター、ジェフ・クーンズ、ダミアン・ハーストといった国際的アーティストと、自分との関係を深く考えた末の結論だ」と会田は語ります。世界的視座を持った現代美術コレクターには、きっとご満足いただける内容になることでしょう。今まで会田の作品に、あるいはミヅマアートギャラリーに馴染まなかった方にこそ、ご覧頂きたい展覧会です。
本展のタイトル「はかないことを夢もうではないか、そうして、事物のうつくしい愚かしさについて思いめぐらそうではないか。」は岡倉天心の『茶の本』(浅野晃訳)の第1章末尾の言葉から採られました。こんな荒んだ時代だからこそ落ち着いて「純粋な美」について再考したい、という思いが込められています。
なお、DMなど告知のためのヴィジュアルは、展覧会の内容と激しく乖離したものであることをお含みおき下さい。
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