この度、NANZUKAはニューヨーク在住のアーティスト、エリック・パーカー(1968-)の個展を開催致します。本展は、2007年にタカイシイギャラリーで開催された個展に続く日本で4度目の、8年半ぶりの新作個展となります。
エリック・パーカーは1968年ドイツのシュトゥットガルトで生まれ、現在ニューヨークを拠点に活動している作家です。テキサス大学オースティン校、ニューヨーク州立大学パーチェス校で学び、2000年にMOMA PS1で開催された第1回目の「Greater New York」展に出展し、一躍脚光を浴びました。その後、Aldrich Contemporary Art Museum、The Modern Museum of Art Fort Worthといった美術館での展覧会の他、Paul Kasmin gallery, Honor Fraser、Galeria Javier Lopez等世界中のギャラリーで数多くの展覧会を経験しています。
パーカーは、自身の作品のルーツとして、例えばMAD magazineなどのアンダーグラウンドコミック、風刺イラスト、グラフィティーなどといったローブロー的なアートの影響を語っています。また、テキサス大学オースティン校でピーター・ソールに師事していた際に、ルールに縛られる事のない"アンチ・エスタブリッシュメント"(反主流的)なスタイルの重要性を学んだと語っています。この事は、後のパーカーの創作活動に大きな影響を与えたと言って過言ではないでしょう。パーカーの作品が、自然とJim Nutt(ジムナット)やKarl Wirsum(カール・ウィルサム)といったシカゴ・イマジスト(Chicago Imagists)や、ロイヤル・ロバートソン(Royal Robertson)といった当時誰も注目をしていなかった(しかし、現在ではアメリカを代表するアートとして再評価されている)アーティストたちのへの関心や影響から作品が生み出されて行ったことは、特出して語られるべきことです。
パーカーの絵画は、一見するとアウトサイダーアートのようなテキストの集合体を相関図的に描き起こしたシリーズ"MAPS"、脳内や思考を記号的に描いた肖像画のシリーズ"HEADS"、現代のロゼッタストーンかのようなモンスターや記号、文字的なるものが描かれたシリーズ"Hieroglyphics"(象形文字)、そして植物や風景画を描いたシリーズ"STILL LIFES"(静物画)の大きく分けて4つのシリーズから成ります。 これらの作品のシリーズを通して、パーカーは世界の現在の政治、社会、あるいは経済の景色を、メディアやポップ・カルチャー、音楽、歴史などに満ち溢れた独特の構図で図式化しているのです。
本展では、双眼鏡を覗いた光景を連想させる2つの円を組み合わせた変形のキャンバス作品、及びピラミッド型のキャンバス作品を含む新作10点程度からなる予定です。2016年5月28日(土)18:00より久々の来日を果たすアーティスト本人を囲んで、オープニングレセプションを開催致します。本展を皆様にご高覧頂ければ幸いです。
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