大木裕之 (1964 年東京都生まれ ) は、東京大学工学部建築学科在学中の 80 年代前半より映像
制作を始めました。 1991 年からは高知県に制作活動の拠点を置くようになり、高知県立美術館
製作の 「HEAVEN-6-BOX」 (1994-95) で、 第 45 回ベルリン国際映画祭ネットパック賞を受
賞しました。 その後も数々の国際映画祭、 展覧会にて作品を発表しています。
落合多武 (1967 年神奈川県生まれ ) は、1990 年に和光大学を卒業後渡米、 1993 年にニュー
ヨーク大学大学院を修了し、 同年に初個展を開催、現在もニューヨークを拠点に活動しながら、
国内外の美術館およびギャラリーでの展覧会に多数参加しています。
2 人の共演は、スウェーデンのリドマーホテルで開催された 「J-way」(2000 年 ) に始まり、
その後も、 「夏への扉ーマイクロポップの時代」 (2007 年、水戸芸術館、 茨城)、落合個展 「スパ
イと失敗とその登場について」 (2010 年、ワタリウム、東京 ) 会期中のイベントに大木が出演、
同年の大木による企画展 「たまたま8」 に落合作品を展示、昨年開催された落合多武 & アン・
イーストマン発案による 「トレッドソ ン別邸のため」 に大木が参加するなど交流を続け、今回
初めて 2 人での展覧会を開催する運びとなりました。
本展では、落合多武の新しい試みである 「灰皿彫刻」 8 点、大木裕之の松前君シリーズの最新
作 「松前君の旋律Ⅲ」を展示いたします。 その他、2人が往復書簡を交わすように日本とニュー
ヨークでやりとりをした共作のドローイングや映像、その場で作り上げられた立体が展示されま
す。 会場内にはそんな2人のやりとりを示すかのように、色の塗られた壁や暗幕、廃材や仮設壁
が時間をかけて散文的に配置され、調和する直前でそれぞれの存在感を主張しています。 その展
示空間自体が、 2 人の渾身の共作と言えるでしょう。
人間、光、土地、建築、言霊などの様々なイメージを積層または呼応させ映像化することで、 時
間 / 空間、 人間 / 社会の全体を構築する方法を探求し続けている大木裕之と、概念としてのド
ローイングを主要なテーマとして、名前、ネコ科動物、言葉、都市、死、偶然性などを楽譜のように
繋いでいく落合多武の創り出す新しい世界を、 ぜひご高覧ください。
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