ミヅマアートギャラリーでは2016年2月24日(水)より岡本瑛里展「対流圏」を開催致します。
1987年千葉県生まれの岡本瑛里は、現在東京藝術大学大学院の博士課程に在籍中。2010年のミヅマ・アクションでの初個展では、絵具を何層にも塗り重ね描かれた幻想的な作品で高い評価を受けました。
岡本は能や民俗学などから大きく影響を受け、日頃から謡曲の舞台や民話の元となった土地にフィールドワークで訪れ、その土地が持つ特有な空気感や伝承、民間信仰などを吸収し、画面の中に落とし込んでいます。彼女の作品には一見非現実的な風景が広がっているように見えますが、そこには過去から現在へ連綿と続くこの社会の姿が織り込まれているのです。
本展の作品に見られる芳醇な色彩の中に匂い立つ植物や躍動感あふれる動物たち、風や水、空気からは、現世(うつしよ)の世界と常世(とこよ)の世界とを行き来する作家の眼差しが感じとれることでしょう。
6年ぶりの個展となる本展のタイトル「対流圏」とは、本来気象用語で地球の大気層のひとつであり、そこでは雲が発生し、雨や雪、雷が作りだされます。
岡本はその言葉に「生命の根源的エネルギーが常に流れている層」という新たな解釈を与え、自身の作品に重ね合わせました。生命力溢れるエネルギーが充満し、織りなされる豊穣な世界を、是非ご高覧ください。
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