この度メグミオギタギャラリーでは、NY在住のアメリカ人アーティスト、ブライアン・レオによる1年ぶりの新作個展"Brain Break"展を開催します。
1976年ニュージャージー州生まれのブライアン・レオは、Rutgers Universityを卒業以来、現代の社会問題への風刺をポップでカラフルに表現するオリジナリティ溢れるペインティングを精力的に世界中で発表し続けています。時に「問題作」ともとれる彼の作品のメッセージ性の強さは、The New York Times、The Korea Timesなど多くのメディアから注目を集め、物議を醸してきました。ポップカルチャーから強い影響をうけたレオは、彼の作品を通し、「ペインティングが伝えることのできる領域」を広げることに挑み続けています。
3回目となる今回の個展では、日ごとに加速度的な発達を遂げるインターネット文化から影響を受けて制作した最新の「Brain Break(ブレイン・ブレーク)」シリーズを披露します。ソーシャルメディアやインターネットサーフィンは私たちの気を紛らわせ、誰かと繋がっている安心感や休息(break time)を容易にもたらしてくれます。一方で、行きすぎたインターネットへの依存は、私たち人間をしばしば不安と抑鬱に陥れ、文字通り脳を破壊(break)してしまいます。町中やインターネットの画面に溢れんばかりに氾濫する広告やポップカルチャーから引用された新作のイメージからは、情報に圧倒されては取り残され、SNSに癒されては侵食されを繰り返す現代アメリカ社会の思考的態度の反映を読み取ることができます。
絶え間なくSNSを通過していく情報の渦は、見るものに特別な思い入れや感情を抱く暇を与えず、私たちは意思を持たない単なる受け皿として受動的にそれらの情報に翻弄されているかのようです。
しかし、優れた報道写真が事実を伝えるという目的以上に、一人一人の心に深くタッチし、事件や事柄が色あせても普遍的な物語を伝えるアートとして残っていくように、レオの手と感性を通して、ポップな親和性と絵画としての物質性を獲得し作品へと転化した情報は、一つ一つがかけがえのない時代の生き証人として、私たちにネット上で発見するのとは異なる個人的な視点と深い洞察を呼び起こしてくれます。
レオのペインティングは、現象や情報そのものではなく、それらの現象を通じて浮かび上がる個々人にとっての真実を能動的に喚起し、時に鬱屈し飽和しかけている情報化社会を飄々と乗り越えていこうとする希望を与えてくれます。
およそ100点ものカラフルなカンバスが壁中に埋め尽くされる光景は、空間自体がソーシャルネットワーキングの網の目となったかのような迫力で観る者を圧倒します。更なる進化を遂げ今年も帰ってきたブライアンの新作の中から、あなただけの特別な1点を是非見つけて下さい!
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