この度メグミオギタギャラリーでは、銀座2丁目のスペースでは初となる 大谷一生の新作個展を開催いたします。
大谷一生(b.1977)はYMO高橋幸宏を筆頭に数々のミュージシャンへのCDジャケットへのアートワーク提供、ファッションブランドSOEやPaul and Joe sisterとのコラボレーションなど、ジャンルをこえて活躍の場を広げてきました。
一生は、アートというジャンルについて回る難解さを極力排除し、等身大の愛をもって心地よいと思える作品を追求することによって作品を生み出します。ライブペインティングのような躍動感のある線とポップな色彩で描かれる一生の動物たちは、友人や家族のような愛情に満ちたエモーショナルな眼差しで、見る者の心を捉えてきました。
今展「ONE」では、そのタイトル通り"ひとつになる"という意味が込められた最新作品を約30点を展示します。一枚のキャンバスの中に、動物や人間、テキスタイルが印象的な妹sikakuicoの鞄や自身の絵画など、様々なもの全てが等しく同じ強さの線で等価値に描かれています。 ひとつひとつのモチーフは具象ですが、全てが等価値に描かれた画面の中で、境界線は曖昧になり、親しい人の部屋にいるような感覚を生みながらも、どこか地続きの抽象作品のようにも見えます。
今の現代美術の世界において、難解さを排除した理解しやすさは、時にタブーとされ揶揄される傾向にあります。しかし、ネガティブな発信力の方が強い訴求力を獲得しがちな現代社会において、対立構造喚起するような突出した表現に走るのではなく、敢えて融合することに本質を見出そうとする一生の姿勢は真に創造的です。
同時にそのスタイルはかつてウォーホルが彼の作品において表面にしか本質がないと唱ったことで古典芸術やモダニズムを尻目にアート界のスターダムへと駆け上がったように、現代美術の文脈においては最大の破壊行為と言っても過言ではないでしょう。
創造と破壊のポップスター、大谷一生の真骨頂に是非ご期待ください。
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