2015年12月5日(土)より、Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku にて、渡辺えつこ個展"News"を開催いたします。
渡辺は、国立デュッセルドルフ芸術大学でゲルハルト・リヒターに師事し、以来、約30年間に渡りドイツを拠点に活動してきました。これまで、見慣れた日常の光景の中に潜む異質な場面を巧みに見つけ、それを一つの風景として絵画の世界に置き換えることで、私たちの認識がどのように現実を捉えているのか現実が認識される過程でどうやってずれていくのかを描き出しながら、一方では絵画そのものの在りようについて問いかけをしてきました。
ドイツ在住時、渡辺はふと目にした受信障害によるテレビ画面の粒子の乱れに着目します。テレビの映像が乱れる一瞬を撮影し続け撮りためた写真は数百枚に渡り、渡辺はその中から一枚を選定して模写を始めました。そうして出来上がった本作は、伝統的な点描画のようであり、細かいドットによって不安定に繋がれたイメージは本来テレビが伝達するはずの意味性を超え、「不可解で得体の知れないもの」となって眼前に現れます。
さらに、同じショットから連なる二枚の絵画を、筆圧やマテリアルを変えて描きます。それらを並列させて展示する試みは、人間の視覚による「ズレ」を生じさせ、視覚認識による奇妙なリアリティーを作り出そうとするものです。それは記録されたイメージではなく、新たな記憶としてイメージが認識される瞬間でもあります。
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