2015年11月25日より天明屋尚×インディゲリラ展を開催致します。両者は自国の培ってきた文化を洞察し、現代における民族性や価値観を、鋭い批評性と多様な手段で表現しています。時代とも呼応し、国際展への参加や、様々なメディアとのコラボレーションも数多く行っています。
今展が日本では自身初の本格的な展覧会となるインディゲリラは、1975年生まれのミコと1977年生まれのサンティによる夫婦アーティストデュオで、1999年に結成されました。二人は共にインドネシア国立芸術大学ジョグジャカルタ校を卒業し、サンティは視覚デザイン、ミコはインテリアデザインを学びました。現在もジョグジャカルタを基盤に活動し、インドネシアで最も成功した若手アーティストにも挙げられます。ジャワの民俗学と現代の都市生活についての深い知識と興味で知られ、作品における洗練された視覚効果と実験的な表現手段は国内外で高く評価されています。
天明屋尚は、2000年に日本伝統絵画を現代に転生させる独自の絵画表現「ネオ日本画」を標榜し、権威主義的な美術体制に対して絵で闘う流派「武闘派」を旗揚げします。2010年には南北朝期の婆娑羅、戦国末期の傾奇者といった、華美(過美)で覇格(破格)な美の系譜を"BASARA"として提唱しました。今展で発表するのは、1997年作の一号機から始まり2004年の十五号機で一旦終了していた、初期代表作のひとつであるJapanese Spiritシリーズの新作群です。外国人の日本に対するステレオタイプの誤解。そのイメージをより増幅し、外国人が見ることを前提に制作されました。2000年に開催された天明屋の初個展で核となったシリーズで、空想のマシンは人力で駆動するという設定です。
インディゲリラは天明屋尚の活動に強く惹かれ、その想いは昨年シンガポールで開催された、両者が自国で注目している若手作家たちを選んだダブルキュレーション展へとつながり、そして今回の二人展で結実します。経済及び文化に於いて近年急速に関係を深めつつある日本とインドネシア。その両国を代表するこの二組の人気作家による展覧会は、まさしく現在の両国関係を象徴する最先端での芸術的化合となるでしょう。
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