森美術館は、2015年10月31日(土)から2016年3月6日(日)まで、日本国内において2001年以来14年ぶりとなる村上隆の大型個展「村上隆の五百羅漢図展」を開催します。
村上隆は、現在国際的にも最も高い評価を得ている現代美術家のひとりです。ロサンゼルス現代美術館を皮切りに世界巡回した回顧展をはじめ、世界の著名美術館はもとよりヴェルサイユ宮殿やロックフェラーセンター前広場など、さまざまな場所で大型インスタレーションを展開し、作品の圧倒的なスケール感と完成度の高さにより世界中の人々を驚嘆させてきました。村上はその活動において、敗戦後の日本をテーマに、オタクカルチャーやキャラクターと日本の美術史を接続し、「スーパーフラット」という概念を発明するなど、現代美術界に大きな足跡を刻みました。村上がキュレーションを手掛け、世界各地で開催された3つの展覧会は「スーパーフラット三部作」と称され、その最終章となる「リトルボーイ:爆発する日本のサブカルチャー・アート」展(2005、ニューヨーク)は、同年、全米批判家連盟によるベスト・キュレーション賞に輝きました。
国内では待望の個展となる本展では、おそらく世界の絵画史上最大級の作品となる、全長100メートルに及ぶ超大作《五百羅漢図》が日本で初公開されます。本作は、東日本大震災後にいち早く支援の手を差し伸べてくれたカタールへの感謝を込めて、震災の翌年2012年にドーハで発表されました。この《五百羅漢図》を中心に、現代美術史への新たな挑戦となる新作の数々で構成される本展は、成熟期を迎えた作家の、驚くべきスケール
とエネルギー、芸術的達成に触れるまたとない機会となるでしょう。
本展では《五百羅漢図》だけでなく、村上隆が既に10年近い歳月をかけて今なお制作に取り組んでいる《宇宙の産声》や《欲望の炎一金》(2013年)等の大型彫刻作品から、本展のために手掛ける「727」や「Tan Tan Bo」といった代表的シリーズの最新作の数々、円相図や金銀の唐獅子図等まで全作品が日本初公開です。日本の文化を背景にアートシーンを魅了しつづける、圧倒的な村上の芸術世界をご堪能下さい。
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村上隆は1962年、東京生まれ。東京芸術大学大学院研究科博士後期課程修了。
日本画において初の博士号を取得。制作工房、ギャラリー等を含めたアートの総合商社である有限会社カイカイキキ代表。2008年には『タイム』誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選出される。ルイ・ヴィトン、VANS、シュウ ウエムラ、六本木ヒルズ等の企業部ランディングのプロジェクトや、カニエ・ウェスト、ファレル・ウィリアムス、ゆず等、ミュージシャンとのコラボレーションでも知られる。近年は映画、映像制作も手掛け、2013年には初の実写映画監督作品「めめめのくらげ」を公開。TVアニメシリーズ「6HP」(Six Hearts Princess)の放映も控えている。
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