ポップな画風の中へ、乾いたユーモアやエロ、アイロニーなど複雑な味わいを包含し、幅広く人気を集めてきた白根ゆたんぽ氏。カートゥーンコミックのように、塗りと描線のバランスを巧みにとりながら肉筆の楽しさをたたえた筆致の絵を、広告や書籍装画、雑誌などで展開し独自のジャンルを確立してきました。イラストレーションを基盤にしてこそ柔軟に提示しうる、サブカルチャーと現代アートの間隙を突くような独特の作風は、積極的に開く個展やグループ展参加などのアクティビティを通して、強く発信されています。
とりわけ最近では、数年前からリトルプレスで発行し続けている独自のZINEのシリーズ「BLUE ZINE」他で発表される女性画が評判に。ポップなカーブ感が光るそれらの線画はエロティックというコードに沿いながらも、エロが抱えがちなホットさから解き放たれたクールさが痛快であり、説明性やグラデーションからフリーになった記号的な描画だからこそ、見る者のイマジネーションへ深く働きかけるガジェットとなり得ています。タブローとしての美しさが不思議と引き立つだけでなく、デジタルディバイスとの高い連動性も魅力的で、イラストの新しい潮流として専門誌などでも話題を集めています。
本展は白根氏にとって今年4回目の個展です。過去3回の個展において、"GIRLS"シリーズのなかで示した広い可能性。それらの自己解題的な視点も盛込みつつ、得られた多くのフィードバックをアイディアの溶媒にしつつ新作を制作、好評だった過去のアーカイブのリメイクも合わせて試みます。新作約20点をメインに、ドローイング、複製作品などを紹介・販売いたします。また、大人気のZINE、ステッカー、Tシャツなども合わせて販売いたします。
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