この度ギャラリーでは、ユーアン・マクドナルドの3度目の個展を開催致します。
タイトルの「シティ・リミッツ」は都市の精神的な重圧、或いは成長の両方を想起させるものです。マクドナルドは、個人とその周辺の社会構造の今日における問題を、幅広い作品の在り方で提示してみせます。
新作(A Place Like This)はピアノ工場でひたすら調律をし、無気力に日課を費やしている労働者達の様子を定点的に捉えた映像です。調律音が反響し、あたかも現代音楽の様に奏でられています。約10分間の映像ですが、後半に連れ、画面全体が紅色に覆われ、より緊張感を持ち始めます。
この映像の騒音は、手前にあるギャラリースペースまで溢れ、そこにある平面作品に干渉します。
架空の都市を描いたインクジェット・プリントの作品
此の様な社会構造を見る広い視点の連作と共に、マクドナルドは反射するアルミニウムを用いてより親密な、心理的に満たされた像を描いたシリーズを作りました。
マクドナルドの扱う、音や複製可能なイメージといった様々な形態の作品同士が響き合っている様子は、巨大で近代的なグリッドや装飾的なパターン、そして工場での労働の様子とその音が反響したこの空間自体を、空虚な都市と同じ様に、留まることなく肥大・拡張させていくかのようです。
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