GALLERY MoMo Ryogoku では吉田晋之介の個展「Days」を10 月31 日( 土) から11 月28 日( 土) まで開催いたします。
吉田晋之介は1983 年埼玉県生まれ、2012 年東京藝術大学大学院を修了し、2009 年のシェル美術賞展で準グランプリ、2012 年のアートアワードトーキョーでは長谷川祐子賞を受賞しました。2013 年にはVOCA展にて佳作賞を受賞、また神戸ビエンナーレ2013 や大阪、東京、金沢と巡回した グループ展「北加賀屋クロッシング2013 MOBILIS IN MOBILI- 交錯する現在-」にも参加し、高い評価を得ました。2014 年には、岡本太郎現代芸術賞に入選、同年にニューヨークで開催されたアートフェアVOLTA NY 2014 に出展し、活躍の場を広げています。先般開催された第一回アートオリンピアにも入賞しました。
吉田作品に特徴的なのは具象的なイメージと抽象的なイメージが画面に交錯して展開していることです。しかも自らの視覚や体験から得られるアナログな世界と、テレビやパソコンを通じて得られるデジタルな画像が混在して、災害のイメージなど混沌とした世界観を呈しています。
しかし吉田にとってそのどちらもリアルな世界であり、時間的な要素も汲みして意図的にカオティック(Chaotic)で、ネガティブな側面とポジティブな側面の撹乱を試み、技術面では筆順や絵の具の重なりにも撹乱させる要素を持ち込んで、見るものを迷路に引き込みます。
吉田は「刻々と変わる有機的な現実に反応して、未来も予想せず、過去も顧みず、今に忠実でありたい」と語り、作品の様相もその時々に変化し、あえて期待を裏切り一層混迷へと誘われます。
アメリカのミステリー作家ジェフリー・ディーヴァーは彼の小説の中で、「過去の出来事はすべて記憶」そして「未来は想像」、「現実と言い切れるのは、いまこの瞬間だけ」それとても「想像から記憶へ刻一刻変化し続」け「人生の大部分は幻想(イリュージョン)」(文芸春秋社刊、池田真紀子訳「魔術師」原題:THA VANISHED MAN)と語らせています。
吉田の作品をイリュージョンと見ることにさほどの違和感を持たず、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が見た未来に裏切られつつ、今という吉田自身の現実を描き続けることでしょう。
大作の油彩作品4 点を中心に展示を予定しています。秋の深まりと共にアートへの想いも深まる季節、視覚ばかりでなく脳内刺激も誘われる作品をご高覧ください。
〒130-0014 東京都墨田区亀沢1-7-15
アクセス:大江戸線両国駅徒歩1分・JR両国駅徒歩5分
TEL:03-3621-6813
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