このたびGALLERY MoMo Ryogokuでは8月22日(土)から9月19日(土)篠原愛の個展「夏の庭」を開催いたします。
篠原愛は1984年鹿児島県生まれ、2007年多摩美術大学卒業、私たちのギャラリーでは昨年に続き2011年以来4度目の個展になります。2009年の第28回 損保ジャパン美術財団選抜奨励展をはじめ、グループ展に多数参加。近年は、園子温『毛深い闇』の装丁を手がけるなど活躍の場を広げているところです。
作品は人間や動物の腹部などが切り裂かれたイメージから死を連想させたり、グロテスクな印象を持たされたりしましたが、同時にそこには常に甦生するイメージがあり、根源的には生への慈しみと希望を内包させ、死よりも生への強い意志を感じさせる作品を生み出して来ました。
今展の「夏の庭」と題された展示でも自然との共生と癒しの感覚を持ってそれぞれの作品が描かれ、取り分け夏という季節の持つ旺盛な生命力、命をはぐくむ自然の計り知れないエネルギーが、描かれた動植物を通じて象徴的に展開されています。
今まで死を合わせて描くことで、篠原は生を強く表現してきましたが、新作の『ヘブンリー・ブルー』では、朝顔や昆虫などの動植物を雌雄の組み合わせで描き、「性」を題材とすることで、今展のテーマである生命を表現しています。
この作品では、はだけた着物から平らな胸をのぞかせ、人物を男女ともとれない両性具有的に描写することで、人物を中立的な存在にしています。また、左右の掌の差異、動植物、背景の柵など、それぞれにメタファーを内包しており、作品に対する即断を避けて対話を求めるものになっています。
今展の作品の多くに、生命の根源的な性を象徴的に描き、作品に奥行きを持たせています。日本のむせかえるような夏を肌で感じつつ、現実的な季節感と作品との共振を堪能していただければ幸いです。
丁寧な鉛筆の線で油彩とは違う雰囲気を与えるドローイング約5点と、強いメッセージを感じる油彩7点による展示を予定しています。
〒130-0014 東京都墨田区亀沢1-7-15
アクセス:大江戸線両国駅徒歩1分・JR両国駅徒歩5分
TEL:03-3621-6813
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