企業CIやVI、ミュージシャンのPVやwebグラフィックなどを手がけている山口真人氏は、コンセプチュアルな楽しさに満ちたビジュアルづくりと、クリーンでインタラクティブな視覚表現で高い評価を受けています。同時代者たちの感性と価値観を心良く震わせるミックスメディアな構想力が光る一方で、彼は商業美術の領域から現代アートの強いコミュニケーション力に着目し、独自のアートシリーズ「Plastic Painting」の制作を続けています。
そのシリーズとは、「見せかけ(=Plastic)の絵画」がコンセプト。2014年の初めての個展では、透明なプラスチック板にグラフィックをプリントし、または工業的な成型手法で制作された立体作品によって、現代アートのフェイマスたちの作品世界をグラフィカルに輝く人工的な結晶美に置き換えてみせ、好評を博しました。リミックスとマッシュアップ技法によって、アートとデザイン、2つの領域をカクテルして見せる、その編集感覚が彼の最大の持ち味といえるでしょう。
本展は、山口氏にとって1年ぶりの個展です。自身のアイデンティティと切り離せない「東京」を「世界中の文化を模倣し、リミックスし作り直す器」と定義。彼のアートワークの編集性そのもののなかで東京を体現するシリーズに取り組んだ成果を披露します。グーグルの検索結果をスクリーンショットで採取、グラフィックツールでCMYKドットに変換し、そのデータからステンシルを作ってキャンバスにエアブラシで描画した作品など、アクリル絵具を使用した平面作品を中心に、約30点を展示・販売いたします。また、初めて制作される作品集のほか、Tシャツやアクセサリー類も紹介・販売いたします。
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