見えすぎるのはよくない
私は見たくないものは隠すことにした
写真はなにもかもが見えすぎる
見えすぎるのはよくないことだ
現実は、このぐらいの表現で見せるのがちょうどよい
AI KOWADA GALLERY(東京、渋谷)では写真集の刊行と合わせ、コマーシャルフォトグラファーとして活躍する矢吹健巳(b.1982)の写真展、"gengetsu"を開催致します。
矢吹健巳は、写真表現における「見えないもの、隠れているもの」や「無視されているもの」について問い続けてきました。そのテーマのもとで撮影された、50人のアノニマスなモデルたちのポートレート作品シリーズ"gengetsu"が、写真集として発表されます。
"gengetsu"において、矢吹は街中でランダムに声をかけた人々をモデルとし、極めて短い時間で、あえて彼らとの距離を一切縮めず、「赤の他人」というスタンスのまま撮影に臨んでいます。
さらにポラロイドを独自処理したネガフィルムをプリントするという例のみない写真技法を用いて、撮影したモデルたちの顔や体の一部を黒く塗りつぶし、意図的に隠蔽するのです。今回は"gengetsu"シリーズから抜粋、 作品化した展示となります。
「このモデルたちはいったいどんな背景を持ち、どんな顔で、どんな表情をしているのか?」
等身大にプリントされたモデルたちと対峙するインスタレーション。
それは鏡のように我々を投影します。
150-0045 東京都渋谷区神泉町3-5-1F
TEL:03-5459-6433