この度、東京画廊+BTAPでは曾健勇個展『遺失の地』を開催いたします。日本で初めての個展となる本展では、新作の水墨画作品約15点を発表いたします。
曾健勇は1971年中国広東省生まれ。大学で中国画を専攻し、その後北京中央美術学院において版画専門課程に通い、現在は北京を拠点に制作活動をしています。
曾健勇は学生時代より、油絵、中国画、版画など広範に美術を学び、東洋西洋の両文化を吸収してきました。曾の作品は子どもや動物を主題にしたものが多く、中国の伝統的な水墨画とは異なる色とりどりの童話の世界が描かれています。緻密に描かれた明るく静かな画面には、繊細かつ活き活きとした情感が満ち溢れています。曾の作品群は、現代水墨画の新たな可能性を探求しつつ、社会と自己との関係を反映させようと試みるものです。
また、曾の作品は生活体験を直接に反映するものです。一方、曾にとって作品制作は、感情を具体化していく新たな精神的体験だと位置付けられます。生活と精神の両体験を見直すことで、忘れていたものを再認識し、生の包括的な理解を目指します。
本展の作品群には、世界の終焉という極端な情況が設定されています。曾は生死不明な状態に現れる人間の本性を問い、失われた本質を引き出そうと試みるのです。
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