ミヅマアートギャラリーでは、4月22日(水)より青山悟展「名もなき刺繍家たちに捧ぐ」を開催いたします。
青山悟は工業用ミシンを用い、近代化によって変容し続ける人間性や労働の価値を問い続けながら、刺繍というメディアの枠を拡張させる作品を数々発表している作家です。
今回の新作は、イタリア人アーティスト、アリギエロ・ボエッティ(1940-1994)の地図作品《MAPPA》の制作に携わったアフガニスタンの刺繍職人たちへの興味が発端となっています。
美術と工芸の歴史や、西洋と東洋を隔てる政治的関係性―オリエンタリズム、グローバリゼーション、資本主義、戦争や災害が与える影響。《MAPPA》が制作された背景を考察しつつ、青山悟も今現在、彼にしかできない世界地図を作り上げました。
普遍的な存在でありながら、常に変化を孕んでいる世界地図。
世界の秩序が大きく変容し、「消失と再生」を繰り返しているかのように見える現在、境界は曖昧になり、遠い地での問題と思っていたことが、身近な問題として差し迫ってきています。
アフガン難民の女性たちによって制作されたというボエッティの作品が今も褪せることなく私たちに何かを訴えているように、青山悟の作品もまた、近代化の光と闇、共同体と個人、国と社会等など様々な「境界線」に帰属する問題を私たちに投げかけています。
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