このたび東京画廊+BTAPは、4月18日(土)より日比遊一個展『地の塩』を開催致します。日比にとって日本初の個展となる本展では、1992年から数回にわたって訪れた奄美で撮影されたシリーズ『地の塩』を展示致します。
十代から俳優として活動していた日比は、22歳でニューヨークへ渡ります。俳優の仕事をするうちに写真と出会い、ニューヨークの街を歩き、感じるままにシャッターを切る毎日を送ります。1992年、米国永住権を取得するために一時帰国した日比は、カメラを持って日本全国を旅します。北海道ではアイヌの人たちと生活をともにし、南に長寿の島があると聞けば訪ね、旅は1年にも及びました。
その後、映画監督と併行して写真家の活動を開始。これまで、アメリカを拠点とする写真集の名門出版社ナズレリ・プレスから3冊の写真集が出版されています。また作品は、カリフォルニア州のサンタ・バーバラ美術館など、世界各国の著名なコレクションに収蔵されています。
本展で発表する『地の塩』のシリーズは、奄美で撮影した作品をまとめたものです。撮影当時は旅の思い出アルバムのつもりだったものが、その位置付けは、日比が写真家としてのキャリアを積むうちに変わっていきました。そして、ベルリンの出版社、オンリー・フォトグラフィーのローランド・アングスト氏と出会い、同氏が最も興味を抱いた作品が写真集『地の塩』としてまとめられました。
タイトルの『地の塩』とは、聖書の中にあるイエス・キリストの言葉に由来します。塩は腐敗を防ぎ、浄化させる。神を信じる者は塩のように社会の模範であれ、という例えです。奄美を旅した日比は、島の人たちが、よりよい明日のために笑顔を忘れず、人との繋がりや会話を大切にし、さらには家族のために汗水垂らして働き、昔からの言い伝えを守りながら生きる姿に「地の塩」を見たと言います。
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