この度メグミオギタギャラリーでは2011年2月以来、第2回目となる大森準平の新作個展「loop warp rope hope」を開催致します。
大森準平(b.1979)は京都精華大学芸術学部で陶芸を学び、卒業後は学生時代から続けていた黒陶シリーズに変わり、現在は「縄文」をテーマとした作品を制作しています。
2010年にはモンブラン・ヤング・パトロネージで一般投票1位を獲得し銀座本店で個展を開催、近年作品がDenmark Keramik Museumにコレクションされ、またASIA WEEK NY2012では代表としてNYの新聞の一面を飾るなど、今注目されている若手陶芸家の1人です。
大森は学生時代に縄文時代の焼きものを見た時、土器を纏う神秘性や、人間の原風景を刺激する土の魅力、また膨大な時間を駆け抜けてきたその奇跡的な佇まいに大きな衝撃を受けました。その体験が「縄文」をテーマとした作品制作へと向かわせました。
縄文土器の形態•文様、また人型の土偶等が、自然への畏怖、魔除けや精霊信仰に基づく信仰の象徴であったと言われるように、大森もまた「祈り」こそ縄文土器の本質であると言います。
今展では、様々ある縄文土器の形態を尊重しつつ、アルファベットなど現代社会に溢れるイメージを文様や形態へ反映させたカラフルな作品約10点を展示する予定です。
西洋美術史とは異なる特有の変化をしてきた日本では、「ものづくり」的、「アウトサイダー」的という特徴を有しており、その根元は原始的な祈りから発せられるものと考えられます。
個人の感性を基にする表現の多い現代日本のアートの中において、色や輝きを供えた大森の作品は、縄文土器の力強い存在感に裏打された美の根元と新しさを現代に提示する真のアートと言えるのではないでしょうか。
大森の祈りを込めた作品は、日本人が心の奥底に保持する信仰のごとく、心の拠り所となることでしょう。ひいてはその時代の象徴として未来永劫、重要な痕跡を美術史に示し続けるに違いありません。
大森準平新作個展「loop warp rope hope」にどうぞご期待ください。
〒104-0061 東京都中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1
TEL: 03-3248-3405