児玉画廊|東京では1月17日(土)より2月21日(土)まで、竹村文宏個展「Factory」を下記の通り開催する運びとなりました。2012年の初個展「Flight」(2012年、児玉画廊|京都)、2013年の個展「真空」(児玉画廊|東京)に続き、今回は竹村にとって三度目の個展となります。その間ART STAGE SINGAPORE(2013年、2014年)、アートフェア東京(2014年)、BAZAAR ART JAKARTA(2014年)と、国内外のアートフェアでも積極的に紹介してきました。
今回の個展では、「Factory」というタイトルが示すように、制作の行程そのままが作品化されたような新たな展開も見せています。製図面のように10mmのグリッドが画面全体に引かれ、更に目盛りで囲まれたエリアが作られた中に箱庭のように街並が広がっています。そのエリア外には街並を形成するビルや観覧車やクレーン等とそれらを組み立てる構成パーツが一つ一つ説明的に整然と配されています。目盛りに囲まれたそれはまるで地形解析用のレーダー画像の様でもあり、作品内の世界を創造するための指示書のようでもあります。
建物を造るためには、展開図として描いた各パーツを乾かして組み立てること。高速道路や橋を建てるには、橋脚の上に予め乾燥させておいた細長い線を乗せていくこと。画面を見ている内に、描かれている街並を分析して、どのようなルールで、どのような世界を竹村が創造しようとしているがを事細かに紐解いていくことができます。解放された線が空間に自由に伸び上がるまでに至った竹村の作品に、今度は鑑賞者と世界観を共有するためのスケールとシステムが加味され、見る者は天地創造の神の目を得たような竹村の高揚感を追体験するのです。
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