この度、GALLERY MoMo Projectsでは、12月13日(土)から1月24日(土)まで、アメリカニューヨークを拠点に活動するエイミー・マイアズ、長沢秀之、アイスランド出身のミレヤ・サンパーによるグループ展「ドローイングのカタチ」を開催致します。
ニューヨークを拠点に活動するエイミー・マイアズは、物理学者の父の影響で幼い頃からニュートン物理学や量子力学理論に興味を持ち、それをテーマにドローイング作品を制作しています。
グラフィックで描かれたような緻密な線も、フリーハンドで描かれ、技術の高さが伺えます。一枚の紙から制作をスタートさせ、紙と対話しながら、作品が作家自身に問いかける質問に応えるように、一枚づつ紙を加えていきます。
また、紙の継ぎ目は地図上の緯度と経度のような役割を果たし、綿密に作り上げられる緩やかで左右対称の線を正確なものにしています。左右対称に描かれたモチーフは、女性の子宮を想わせるものや、宇宙で起こる自転の痕跡などを思わせます。
今展で長沢秀之は、俵屋宗達と本阿弥光悦による「蓮下絵百人一首和歌巻」という江戸時代の名品と呼ばれる作品に触発され制作したWatercolorを展示する予定です。
油彩を主な制作メディアとして用いている長沢のこのドローイングシーリズでは、彼のドットを使った皮膜シリーズや絵画 on 絵画シリーズとの繋がりを見る事ができます。
油彩では表現できない紙に広がるにじみは、「ぼんやり」と「くっきり」の次元感覚を生み出し、一見フラットな画面でありながら、奥行きと表面の微妙な絡み合いが水彩で表現されています。
アイスランド出身のミレヤ・サンパーは、世界各地でレジデンスプログラムに参加し、その国、その土地の素材を使い、サイトスペシフィックな作品が特徴的です。日本では、我孫子国際野外美術展や大島で開催されたArt Islands in Tokyoにも参加し自然を利用し、環境問題とリンクさせて作品を発表しました。平面作品を始め、様々な素材を用いたインスタレーションの制作に取り組んでいます。
今展では日本の和紙に墨とクレヨンを使ったドローイングと石の表面を雫型に削った作品を展示予定です。日本の和紙を使用し、直感的に描かれた線は、自然の荒々しさや山の偉大さなどを感じさせ、先に発生した御嶽山の噴火で見た自然の脅威とその後の静けさを連想させます。雫の型は、直接的ではありますが涙を表し、サンパー自身の考えの所産でもあり、無限を表すマークにも通じ、自然の無限性を表現しています。
今展では、それぞれ違う制作背景や文化を持つ作家をドローイングという視点で見ることで、国を超えた共通するテーマが浮かび上がり、同時にその違いも鮮明となり、見る人に新鮮な衝撃となることを期待しています。それぞれのカタチで表出している作品の持つオリジナリティを味わいながら、ご高覧いただければ幸いです。
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