作家:石坂 翔/蔭山忠臣/松本奈央子/樽井英樹
本展は企画者である樽井英樹が、素晴らしい人である3名の作家と共に作り上げた展覧会である。
彼らの実感を伴った制作態度を私は素晴らしく思っている。実感を持った制作態度とは、一足飛びに作品の影響力を広めようとすることではなく、自分の身近な人々から関係を築いていくということだ。そのためには自らの本当にやりたいことができていなければならない。他者と関わる上で嘘は見破られるからだ。
本企画者の作家が作品を作る動機は個人的なことかもしれないが、その制作は個人の中に閉じたものではない。作家とその身近な人々との関わりが作品に影響を与えているのである。
作家たちが作品を介して関わることのできるのは、作家にとって現在の身近な人々である。身近な人々は作品の展開と共に移り変わっていくだろう。例えば展示会場で、ふとした瞬間に、作家は他者との関係が更新されていることに気がつくのかもしれない。その度に他人の記憶が蓄積している作品たちは、新たな記憶を受け入れ続けるのである。影響を及ぼす範囲の大小に関わらず、やりたいことに関わってくれる人がいることは、幸福なことと言えるのではないだろうか。
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