hpgrp GALLERY TOKYOより、大和田良の個展開催をご案内申し上げます。
デジタルカメラならではの表現方法と明快なコンセプトが共存する作品は国内外で高い評価を得ています。本展では岡山県津山市にある「つやま自然のふしぎ館」の膨大な剥製コレクションを撮影した未発表シリーズを展示致します。
剥製と写真という半永久的な時間に閉じ込められた動物たちは、視覚化された時間として捉えることができます。
2005年にはスイス・エリゼ美術館「reGeneraition. 50 Photographers of Tomorrow」展に選出、2011年には日本写真協会新人賞を受賞。写真集や著書も多く、若手の育成にもに熱心に取り組んでいる大和田は、今後の活躍が最も期待される若手写真家の一人です。この機会に是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。
※ご好評につき、営業日程を変更・展示日程延長となりました。12月22日(月)は20:30まで営業いたします。なお、個展の会期は、2015年1月7日まで延長となりました。年内は12月27日(土)まで、年始は1月4日(日)から営業開始となり、6日(火)・7日(水)に営業いたします。この機会に是非お立ち寄り下さいませ。
「剥製図」
岡山空港から車で一時間。津山市にあるつやま自然のふしぎ館を訪れた。1963年に自然史博物館として開館してから現在まで、貴重なコレクションを展示し続けてきた館だ。建物は津山城跡のすぐ南側に位置し、以前は高等学校の校舎として使われていた風情ある木造建築である。延べ面積1,500メートル以上のスペースに22,000点を超える展示物が並ぶ様は圧巻で、小さな入り口からはとても想像ができない。
つやま自然のふしぎ館を撮影したいと考えたのは、展示の方法やその収集に関する独自性からだった。それは国立科学博物館のように整然と、学術的あるいは教育的な目的に基づいた方法論で収集されたものとは別にあるように思えた。実際館長に話を聞くと、やはりそこには創設者である故・森本慶三氏の情熱を感じ取ることができたし、その考えに賛同した様々な支援者の姿を思い浮かべることができた。
撮影では全て金箔の背景を用いている。実際訪れると感じられることだが、館の風景は展示室の壁画と多くの剥製が目に飛び込んでくるその光景によって成立している。その要素である剥製を一体一体シンプルな背景によって館の風景から引き剥がすことで、館を形作る雰囲気のようななにかが別のかたちで写るように思えたのである。それらの写真が集まったとき、そこには剥製そのものだけでなく、館や展示物を眺め続けて来た人たちの視線が表れるのではないかと考えたのだ。ー大和田良
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