山野千里の手がける陶器には、記憶やイメージの断片からどんどんと広がっていく想像力と、言葉遊びのように展開する物語が詰まっています。
ラクダのコブがこたつになって、その上で人々がオセロをはじめたら・・・、ユーモラスな物語は、しばしば即興的な指の動きによって造形されていきますが、不思議にも調和のとれた世界をつくりあげ、そして彼女の作品では、人と動物が楽しげに混じり合って暮らします。
本展覧会のタイトルは、「World Blend」。
作家は「何をどのように混ぜ合わせて行くかということを考えることは、ブレンドコーヒーの味を作るのに、世界中の産地のコーヒー豆をその特徴を考えながらブレンドしていくこととどこか共通するような気がします。」と話します。
山野千里は1977年大阪府生まれ。2005年に京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻陶磁器修了。現在は瀬戸内海の島に制作の拠点をおきながら、各地で個展を開催しています。藤田匠平とはスナ・フジタのユニット名(2014年フジタチサトから改名)で、より日常使いの器を発表しています。
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