児玉画廊|東京では10月4日(土)より 11月8日(土)まで、高谷史郎個展「Topograph / frost frame Europe 1987」を下記の通り開催する運びとなりました。
今展覧会は、東京都写真美術館での個展「明るい部屋」(2013年12月10日-2014年1月26日)、児玉画廊|京都での個展「Topograph / frost frame Europe 1987」(2014年4月29日-6月14日)に引き続き開催されます。写真シリーズ「Topograph / La chambre claire」および「frost frame / Europe 1978」、光学ガラスによるナイフエッジ45度直角プリズムによって鏡面でありながら正像を映し出す「mirror type k2」、映像インスタレーション「Toposcan」を展観致します。
高谷のこれら作品は、いずれも従来の写真(および映像)の概念とは少し違う方向性を示しているように思えます。写真と言えば、camera obscura(暗い部屋)に端を発し、文字通り暗室に光を閉じ込め、それを紙に焼き付けるという、いわば閉塞的な行為であるのに対し、高谷の作品は作家自身が言うようにcamera lucida(La chambre claire=明るい部屋)にそのコンセプトを求めた開放的な行為としての側面を強く感じさせます。camera lucidaはcamera obscuraと同じくカメラの始祖的装置でありながら、camera(部屋)の内部に像を閉じ込める装置であるcamera obscuraとは逆に、レンズとプリズムによって実像と映像を重ね合わせて見るための装置であり、像を明るみへと連れ出します。光学的な装置としてのカメラ、その表出手法としての写真や映像は、果たして暗室(obsucra)になくてはならないのか。装置をカメラ内部(black box)から表に出した「frost frame / Europe 1978」や「mirror type k2」、レンズによる収差から像を解放した「Topograph」、映像と写真の概念的な境界を取り払うかのような「Toposcan」、高谷は人間の視覚と光学的装置としてのカメラという二つの目を往き来しながら、我々の視野を開かせ、明るみへと導くのです。
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