タグチファインアートでは、イングリット・ヴェーバー作品の展示を、上記の期間約4週間にわたり行います。
イングリット・ヴェーバーは1961年ドイツ、オーバーマウバッハ生まれ。1991年にデュッセルドルフ美術アカデミーで ヤン・ディベッツによりマイスター・シューラーリン資格を取得。2000年にはエルンスト・ポンスゲン協会から奨学金を受け、1年間ニューヨークに滞在。現在はデュッセルドルフとデューレンを拠点に活動しています。日本ではタグチファインアートでの発表のほか、2004年7月に目黒区美術館で「色の博物誌・黄―地の力&空の力」展に出品、また同年の10月から11月までは府中市美術館において公開制作を行っています。 10月から11月まで府中市美術館において公開制作を行うなど、日本でも積極的に作品を発表しています。
ヴェーバーは一貫して、単色かあるいは極めて限られた数の色彩で画面を構成するモノクローム絵画を制作しています。彼女は制作の準備段階として、まず注意深く顔料を混ぜ合わせ、それらの配合を変えて微妙に色価(同じ色相のなかでの明暗や灰色の含有量の差異)の異なる何種類かの絵の具を作り出します。たとえば、同じ緑色にしても、そこに混ぜる黄色の顔料や青色の顔料の量、また練り剤の量や種類を変えることによって、さまざまな緑色を作り出すのです。その後、それらのなかからいくつかの色を選び、それぞれの色ごとに作品を制作していきます。
今回の展示は2010年8月の個展に続く日本では4年ぶり、6度目の個展となります。
Terra Verde(伊:英語ではGreen Earth)という顔料を用いた作品が展示の中心です。Terra Verdeは主に天然の鉱物から作られる顔料で、古代から使用されてきました。中世イタリア絵画では鮮やかなピンク色や赤を中和する為にそれらの下塗りに使われています。また今回、従来からのキャンバス作品に加え、木製パネルの上に顔料、テンペラ、漆を用いて制作した新しいシリーズも展示致します。
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