ギャラリーモモプロジェクトでは、ジェイ・ムーンによる2回目の個展「Breaking The Code」を8月30日から9月27日まで開催致します。この個展は2012年ニューヨークで開催された同タイトルの個展に新作を加え再構した展示となっております。
ジェイ・ムーンは、プラット・インスティチュートの彫刻科で学び、1994 年に 修士号を取得、その後ニューヨークでは 個展を3度開催し、Art in America やArtforum にて作品が紹介されるなど、多くの好評を得ました。2006 年にもポロック・クライスナー財団の助成金を授与され、2009 年にはNYFA の奨学助成金プログラム、並びにAHL 財団賞にも選出されました。2012年には韓国でCJアートスタジオレジデンシープログラムに参加し活動の幅をアメリカからアジアへと広げています。また、レゴブロックを使ったパブリックアートをニューヨークや韓国で実施し、高い評価を得ました。
本展ではメッセージを伝える手段として、パターンと数字に関心を持つムーンが独自の法則で点字を数字化し、それを河原温のTodayシリーズやダミアン・ハーストのスポットペインティングに応用させた作品を展示する予定です。
点字の重要な役割である触覚性を排除し、本来の機能と概念を取り除き、ジェイ・ムーンは私たちに視覚的に経験させようと試みています。6つの点で1文字を表す英点字をダミアン・ハーストのスポットペインティングに当てはめ、本来の作品のドットを使用しつつ点字で「Damien Hirst Spot Paintings Suck(ダミアン·ハーストのスポットペインティングは最悪だ)」と言う皮肉を込めた文章をハースト自身の作品を借りて表現しています。点字の役割を奪い、独自の法則で言葉を再構成することで、一目ではその作品に何が表現されているかわからない記号の裏にユーモアや批判性を隠しています。
この個展で、ジェイ・ムーンは数字で私たち自身を表現する二面性を模索しています。私たち自身を表現し、コミュニケーションするために数字を使用することは、実用的であるだけでなく、感情の個人的な面が薄れる結果となりました。作品中で数字を使用することは、彼女自身の解釈の全ルールを破ることになりますが、表面の下に符号化された真の意味は保持されています。数字は抽象的でありミニマルで、感情的であると同時に、明確なユーモアの感覚を表現しています。そんなジェイ・ムーンのユーモアを堪能していただければ幸いです。
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