MISA SHIN GALLERY では2014 月 7 日 26 日(土)から 9 月 27 日(土)まで、川俣正の個展「プロジェクトドキュメント 東京インプログレス 2010-2013」を開催いたします。
川俣正は、30 年以上に渡り「美術と社会」をテーマに、既存の美術表現の枠組みを超えていく試みを世界各地で実践しているアーティストです。
建物内外を木材が縦横無尽に貫入する建築的なインスタレーションや、歴史的建造物、インフラや道路、塔など都市の一部に介入し、都市が持つ意味やそこに住まう人々との関係性を想起させる川俣の数々のプロジェクトは、美術や建築の世界を超え、都市そのもののあり方に強烈な示唆を与えてきました。建築や都市計画、歴史学や社会学、日常のコミュニケーション、あるいは人々の記憶や精神のありかたまで、川俣の活動は分野を縦横に横断し、また、準備、設置、そして解体までを含めたプロセスを作品とみなすその制作スタイル、ワーク・イン・プログレス(work in progress)は、現場や地域の人々を巻き込み、関わった人々に新たなアクティビティの萌芽を促してきました。
2010-13 年に行った「東京インプログレス―隅田川からの眺め」は、2012 年に建設されたタワー「東京スカイツリー」が東京という大都市の新たな変貌を象徴し、またその建設に伴って都市の表情や眺望が変化することに着目し、変容する都市景観の観測拠点として新しい展望塔の構築を提案することにより東京を再考するプロジェクトです。周辺住民との共同制作で建設された3つ物見台--汐入タワー(荒川区)、佃テラス(中央区)、豊洲ドーム(江東区)は、その制作過程においてワークショップ、トークなどが開催され、それらの活動を通じて公共的な場の意味を問い直すこととなり、都市という大きな共同体が持つ様々な側面や未知の可能性が見いだされ、新しい公共の場が現れるという変化を見ることにもなりました。
「美術館のような場所ではなく、公共の場で作品と人が出会うことは、アートがどんな意味を起こすのかをアート自体が試されることである」
「プロジェクトドキュメント 東京インプログレス 2010-2013」ではプロジェクトに関連したモデル、レリーフ、ドローイング、プラン、また、ギャラリー空間にあわせて制作された新作などを展示いたします。また、7 月下旬には、4 年間のプロジェクト記録を収めた「東京インプログレス・ドキュメントブック」(美術出版社)が発行されます。MISA SHIN GALLERY では初の個展となる、川俣正の「プロジェクトドキュメント 東京インプログレス 2010-2013」をどうぞご高覧下さい。
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