日本を代表するエングレーヴィング作家であり、300冊以上の表紙画を担当したイラストレターとしても著名であった門坂流(かどさか りゅう 1948-2014)が、代表作「満開の桜」の時期(2014/4/3)に永眠されました。
不忍画廊では2004年から8回の個展を開催、昨年(2013)にはエングレーヴィング制作200点を記念して自薦30点を収録した作品集 『Engraving』 を刊行と個展を開催しました。会期終盤には多くの若い門坂ファンで会場が溢れ、大変嬉しそうにされていたお姿を思い出します。
門坂流は1948年京都で生れ子供時代は美しい自然環境の中で過ごしました。
「自然界に直線や輪郭線はない・・・」と、無数に伸びた樹の幹や数千・数万の桜の花びらにさえありませんでした。
「1㎜の間に10本以上の線描が描けた」という驚嘆すべきエングレーヴィングは、手業と言うより鋭いビュランの切っ先と直結する「眼の力」です。門坂流の眼には一般人が見る事が出来ない自然界に存在する粒子や大気の動きさえも視る事が出来たのでしょう。
今展では「門坂流の仕事」を三つの文字
《線=エングレーヴィング》
《刻=ドライポイント》
《描=ドローイングなど》に当てはめて紹介します。
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