今回、「アート、開きました」というコピーとともに「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」(※愛称はコア展)と題して紹介されるのは、台湾のヤゲオ財団による現代美術コレクションです。
そのコレクションから、本展覧会では約40作家、約75点の作品が紹介されます。アーティストは、常玉(サンユウ)、フランシス・ベーコン、ザオ・ウーキー、アンディ・ウォーホル、サイ・トゥオンブリー、ゲルハルト・リヒター、杉本博司、蔡國強、ロン・ミュエク、ピーター・ドイグ、マーク・クイン(以上、生年順)など。また本展覧会では、コレクター気分を体験できる「ゲーム」を用意し、作品の「価値」とは何かを考える場としたり、きゃりーぱみゅぱみゅのミュージックビデオ全般を手掛けている田向潤が監督したウェブCMを公開するなど、鑑賞や告知に趣向を凝らすことで、展覧会の内容そのものが、かつてない挑戦心と遊び心に満ちた刺激的なものであることを表しています。
本展のウェブCM
http://youtu.be/ikJeBBmsClw
本展のタイトルにある「世界の宝」は文字通り、市場価格的(あるいは保険評価額的)にそうであることを意味する側面と、もうひとつは、美術史的な側面での評価がそうであることを意味しています。
優れたアーティストとは、いま伝えるべきことを、これまでのアートの歴史を踏まえつつ、未来においても色あせることのない形で表そうとする人のことです。彼らの作品は、たとえちょっと滑稽に見えたとしても、今を生きる私たちと無縁ではありません。そして、様々な表現が世の中にあふれかえっている中で、時代の試練に耐えて訴えかけ続けようとするものなのです。
本展では、そうした「世界の宝」である「現代美術のハードコア」を、「ミューズ」「崇高」「記憶」「新しい美」といったキーワードを使いながら10章に分けて展示します。
この機会に世界の宝を体感し、現代美術をお楽しみください。
【ヤゲオ財団とは?】
台湾資本の大手パッシブ(電子部品)メーカー、ヤゲオ・コーポレーションのCEOを務めるピエール・チェン氏(Mr. Pierre Tie Min Chen)、その家族、およびヤゲオ・コーポレーションからの寄付金によって創立された非営利の組織。台湾では「國巨基金會」の表記が用いられています。
【ヤゲオ財団コレクションとは?】
外国の有名な美術専門誌でここ二年間、世界トップ10にランクインしているコレクション。ふたつの軸があり、ひとつは西洋の近現代美術、もうひとつは中国の近現代美術です。この、洋の東西をあわせて持っているという特徴が、ヤゲオ財団コレクションをユニークなものとしています。そしてそれゆえに、今回、同じような特徴を持つ日本の国公立の美術館での展覧会を開催することになりました。
【展覧会特設サイト】
http://sekainotakara.com/
ゲルハルト・リヒター 《叔母マリアンネ》 1965年
ヤゲオ財団蔵 ©Gerhard Richter, 2014
ロン・ミュエク 《若者》 2009年
ヤゲオ財団蔵 ©Ron Mueck Photo: Alex Delfanne
〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)