作家というのは各々のスタンスでものを見つめ、思考し、どこかで自身の作品に奇跡が宿ることや、何かの核心に触れることを望み、それらの来訪を待ち侘び、祈りにも似た気持ちで日々の制作を続けるのでしょう。
今回の展示メンバー5人は私たちが共同で借りているアトリエ「斧とケーブル」のメンバーです。立体、平面、その間に属するもの等、5人それぞれの立ち位置から見据えた作品を展示します。
元々仲の良かった面子ではありますが、作っている作品はてんでバラバラで、あらゆる作家が抱えているであろう問題意識以外に特記するような共有するコンセプトは見当たらず、そこに無理やりに言葉を当て込むようなこともなんだかつまらないように思えました。なので今回の展示では普段制作している作品をメインに、それとは別に物質的な共通項として同型の机を一人一脚ずつ用意することにしました。
机の扱い方はそれぞれに委ねます。一作品として成立させるも、制作過程を見せるも、好きなものを飾り付けるも、普段の制作とは違う切り口で実験的に扱うもよし。
机は作家にとっての制作、思考の現場であり、どんなタイプの作品を制作する人であっても思い入れを持つ場です。その場の扱い方で、個々の作家性や、作品になり切らない隙のあるもの、作品そのものとは違う側面などを、並列して見せられたらと思います。
出品作家:今村洋平/岡本果倫/小林孝一郎/松本真希/三津繁郎
〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14
3331 Arts Chiyoda 2階 201・202
TEL : 03-5812-4558
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