この度メグミオギタギャラリーでは約二年半ぶりとなる濱口健個展「粗製濫造」を開催します。
濱口健(b.1972)は1997年、多摩美術大学の日本画科を卒業しました。卒業後、イラストレーションの世界で活動を続けていた濱口は、2008年に高橋コレクションに加えられ、神楽坂での個展を機に美術作家としてのキャリアをスタートさせました。
今展で濱口は、素材に雑誌や広告の裏紙、要らなくなった段ボール等を用いた100の作品をひとつひとつパッケージ化し、それらを全てs字フックを使い一枚一枚、まるで古着屋に並んだTシャツのように一挙に陳列します。
全て不要とされる物質から作品を生み出すという行為自体はリサイクルの概念を想起させますが、そうした作品たちを彼は文字通り粗製(粗悪な品)と形容し、おまけに乱造(むやみにつくること)していると唱います。
しかしながらポスカにより描かれた大衆的なモチーフは濱口の比類なき画力により、究極のポップ・ファイン・アートへの見事な昇華を果たしています。
不要なものから不要なものを創った結果、価値が反転する、言わばマイナスとマイナスからプラスを生むペアノの公理が1/100のパッケージの中に体現されているのです。
濱口健の「粗製濫造」展、是非ご期待下さい。
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